2016.10.04 Tue 更新

双角子宮でも妊娠・出産できる?症状や治療法について

双角子宮という症状を聞いたことはありますか? 双角子宮は子宮奇形の一つで、子宮が2つにわかれている状態のことです。双角子宮は妊娠や出産にどのような影響を与えるのでしょうか。今回は双角子宮の症状・原因・治療法について詳しくご紹介します。

双角双頚子宮

双角子宮は形状により2種類に分けられます。

双角子宮の種類

双角子宮とは子宮奇形の一種で、子宮が2つに分かれていることをいいます。
子宮は、胎児期に左右のミュラー管と呼ばれる部分が合わさって一つになったものです。
この発育の過程で何らかの障害が起こり、奇形につながることがあります。
女性の約1%に見られるとされ、遺伝とはあまり関係のないものだとされています。
子宮の本来の形は、長ナスのような形・洋梨が逆立ちしたような形などと言われてます。

双角子宮とは

双角子宮の症状

なお、双角双頚子宮でも単頸双角子宮でも膣は一つとなります。

子宮内腔がハートのように二つに分かれていて子宮が一つのもの。

単頸双角子宮

一つの子宮の中に二つの子宮内腔があり、子宮口は二つあるもの

一方、双角子宮でも問題なく妊娠を継続し出産することができた女性もたくさんいます。
流産につながる確率は、着床した場所が安定しているかどうかに左右されるようです。
たとえば子宮が分かれている箇所を避けて着床することができていた場合には、妊娠を継続できる可能性は高いと言われています。

双角子宮自体が不妊の原因になることはなく、着床しにくいという相関関係はほぼないことがわかっています。
ただし、妊娠成立後には注意が必要です。
流産や早産のリスクが高まり妊娠継続が難しくなるといわれています。
全妊娠の流産の確率が10〜15%なのに対し、双角子宮は約40%前後と高く、順調に胎児が成長していても早産になりやすいそうです。

双角子宮が妊娠に与える影響

双角子宮に限らず、子宮奇形はほとんどの場合、無症状で自覚症状といえるものはありません。
不妊症や腹部手術などのときに見つかるケースがほとんどです。
他に異常が無いのに妊娠できない場合、流産を繰り返す場合は、子宮奇形がないかどうかを婦人科で確認しましょう。
子宮奇形の検査は、子宮の内部を調べる子宮鏡検査や子宮卵管造影検査、子宮の外観を調べる超音波検査や腹腔鏡検査などで行われます。

双角子宮が出産に与える影響

双角子宮の治療法

双角子宮の場合、多くは帝王切開での出産となります。
これは、分娩時に赤ちゃんが正常に回旋することが難しいためです。
自然分娩を選択しても、子宮口が二つある場合は分娩時に2つの子宮口が同時に開くため、赤ちゃんが出て来る側の子宮口が十分開ききることができず帝王切開に切り替わることもあります。

まとめ

双角子宮でも妊娠や出産ができる方が多くいるため、治療は必ずしも必要ではないと言われています。
双角子宮が判明した場合は医師の指示をきいて欠かさず健診を受けましょう。
流産を繰り返してしまう場合は、開腹手術や腹腔鏡手術を行い子宮形成をすることもあります。
子宮形成手術を行うと、子宮内膜が通常よりも弱くなっていることがあるので、次の出産は帝王切開となることが多くなります。

子宮奇形と聞くと妊娠や出産に不安を感じてしまいますが、双角子宮を診断されても無事出産した女性は多くいますし、治療が必要ないケースも少なくありません。
双角子宮の方は切迫早産を起こさないように、医師の指示に従いながら妊婦健診を欠かさず、毎日をリラックスして過ごしてくださいね。

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