2016.11.22 Tue 更新

細菌性腟炎は性病とは違うの?原因・症状・治療法

女性のデリケートゾーンのトラブルで「細菌性腟炎」という病気があります。性感染症と勘違いしやすいのですが、性行為を行っていない女性にも現れることがあるので注意が必要です。今回は細菌性腟炎の症状や原因、治療法について詳しくご紹介します。

性器のかゆみや痛み

細菌性腟炎の症状

しかし、過度のセックスや膣洗浄のしすぎ、疲労や体力の低下、加齢などが原因で乳酸菌による自浄作用がなくなってしまうと、さまざまな菌が膣の中で繁殖して、炎症を起こしてしまいます。
この状態を細菌性腟炎といいます。

細菌性腟炎は体に常在している大腸菌などによって膣内が炎症を起こす病気です。
膣内環境が損なわている状態で発症するので、特定の菌をもらってうつる性感染症とは違います。
膣の中は通常、乳酸菌によって強い酸性に保たれていて、大腸菌など悪臭の元となる菌が繁殖しない環境になっています。

細菌性腟炎とは

灰色や黄色の水っぽいおりものがでます。
カンジダ膣炎などは黄色っぽいどろっとしたおりものやカッテージチーズのようなおりものがでますが、細菌性腟炎ではさらっとした水っぽいおりものになります。

水っぽいおりものがでる

細菌性腟炎の特徴として、独特なニオイがあります。
生臭いニオイ、魚の腐ったニオイ、魚臭帯下とよばれるおりものがでて、トイレでパンツを下ろすたびにいやなニオイが気になるようになったりします。
症状がひどい場合、普段生活していてもニオイが気になってしまう人もいるほどです。

生臭いおりもののニオイがする

膣内のかゆみや痛み、外陰部のかゆみなど陰部周辺にかゆみを感じます。
しかし、かゆみの強さは人それぞれでそれほど強くない人もいるようです。

細菌性腟炎は膣内に常在している乳酸菌たちが死んでしまい、自浄作用が弱まるために起こります。
乳酸菌が現象する原因は様々で、はっきりとはわかりません。
誰の体内にもある雑菌が増殖するので誰でも発症する可能性があります。

細菌性腟炎の原因

症状が悪化すると増殖した菌が子宮や卵巣などに感染することもあります。
妊婦さんが発症すると流産や早産の危険性が上がることもわかっています。
また、細菌性腟炎にかかるとカンジダやクラミジア等の性感染症になるリスクも上がると言われています。

その他

疲労・ストレス、薬の影響、抵抗力の低下、激しいセックスやナプキンやタンポンの不衛生、妊娠によるホルモンバランスの変化などが細菌性腟炎を起こしやすくするといわれています。
ただしお風呂や性行為などで外から感染することはありません。
性感染症と勘違いしている人も多いため、パートナーに疑われた場合は自分の常在菌が原因だと正しく理解してもらうようにしましょう。

細菌性腟炎の疑いがある場合はまず婦人科を受診しましょう。
膣分泌物の細菌培養を行って原因菌を特定します。
他の性感染症が原因となっている場合もあるので、他の性病検査と同時検査が望ましいといえます。
忙しい方や、どうしても恥ずかしいという方のために、最近ではネットでキットを取り寄せ、検査機関に送付する検査方法もありますが、細菌性腟炎に対応している検査キットは少ないようです。

細菌性腟炎の検査法

細菌性腟炎の治療は膣洗浄と薬物療法で行います。
最初に生理食塩水などで膣洗浄を行い、原因菌を洗い流します。
その後、抗生物質の膣座薬を挿入し、7〜10日間ほど治療を続けます。

細菌性腟炎の治療法

常在菌が原因ならば自然治癒するのでは?と考える人もいるかもしれませんが、症状だけでは炎症の程度はわかりませんし、他の性感染症の可能性もあるので必ず病院にいくことをおすすめします。
悪化すると長期間苦しむことになりますし、子宮や卵巣に影響でてくる場合もあります。

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