乳腺を発達させる
出産や授乳に関係の深いプロラクチンですが、具体的にはどんな働きをするのでしょうか?
どんな働きをするの?
乳汁分泌ホルモンとも呼ばれ、妊娠や出産に関係の深い女性ホルモンで、脳下垂体から分泌されます。
妊娠、出産に関係しているホルモンということで、女性だけに分泌されるものだと思いがちですが、実は男性にも分泌されており、精嚢線、前立腺などの性機能の発育を促します。
そもそもプロラクチンって何?
排卵抑制
赤ちゃんが母乳を飲むことでプロラクチンがたくさん分泌されると、子宮の収縮を促して母体の回復が早まります。
「母乳をたくさん飲んでもらうと回復が早まる」といわれているのは、このプロラクチンの子宮収縮作用が関係しているんです。
子宮収縮を促す
授乳の時に赤ちゃんが乳首を吸うことが刺激になって、プロラクチンとオキシトシンの分泌がさらに活発になるので、おっぱいを飲ませることでさらにたくさんの母乳が出るようになります。
乳腺で母乳が生成されるためには、プロラクチンの分泌が欠かせません。
出産後にはオキシトシンというホルモンが多く分泌されるようになり、母乳を押し出してくれます。
プロラクチン値が高いとどうなる?
プロラクチンが黄体に作用することでプロゲステロンというホルモンが分泌されます。
このホルモンは子宮内膜を厚くして妊娠しやすい状態を作ってくれます。
子宮内膜を厚くしている状態は、基礎体温で高温期にあたります。
妊娠していないときの働き
産後すぐは母体が回復しきっていないこと、赤ちゃんのお世話や授乳で母体に大きな負担がかかることなどから、すぐに次の妊娠をしないように排卵が抑制されます。
すぐに次の妊娠をして身体への負担が大きくなりすぎないようにしてくれています。
基準値より高い場合の影響
検査方法によって変わりますが、プロラクチンの基準値はおおよそ3〜30ng/mlとされています。
妊娠するとプロラクチンの分泌量は増え、20〜200ng/ml程度になります。
男性の場合には、1.5〜9.7ng/mlが正常値といわれています。
プロラクチンの基準値
「高プロラクチン血症」と診断されるのは、妊娠していないのにプロラクチンの数値が30ng/mlを超える場合です。
プロラクチンの数値が増えすぎると、妊娠していないのに母乳が分泌されるなどの症状が出ることもあります。
男性が高プロラクチン血症と診断された場合、性欲の低下やインポテンツなどの症状が起こることがあり、こちらも不妊の原因に繋がります。
妊娠をしたい場合、女性のプロラクチン値15ng/ml以下であることが望ましいと言われています。
妊娠中、授乳中以外でプロラクチンが増えすぎてしまうと「高プロラクチン血症」とれ、月経不順や無排卵月経などが起こりやすいために不妊の原因にもつながるといわれています。
まとめ
妊娠出産に深く関わるホルモンである「プロラクチン」ですが、少なすぎても多すぎても身体への影響が出ます。
ホルモンは体内でバランス良く分泌されている事が重要なので、規則正しい生活習慣やバランスのとれた食生活を心がけて、妊娠しやすいカラダづくりを目指していきましょう。