排卵誘発剤とは?
ほとんどの場合が軽症で、卵巣の腫れやわずかな腹水が見られる程度で済みますが、重症化してしまうと、下腹部の不快感や痛みがひどくなり、腹水や胸水の量が多くなって入院が必要になります。
卵胞がたくさんできやすい排卵障害がある女性や、痩せ型の女性、排卵誘発剤への反応がいい若い年齢の女性(18〜35歳)は、発症リスクが高いといわれています。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は、排卵誘発剤によって、卵巣内の卵胞が過剰に刺激されて一気に成長し、卵巣が腫れる病気です。
自然な排卵周期では1つしかできない卵胞が数十個出来てしまい、元々3〜4cmほどの卵巣が、軽症では6cm、重症になると12cm以上にまで腫れ上がってしまいます。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)ってどんな病気?
卵巣が腫れることで、お腹に水が溜まる「腹水」という症状がみられます。
下腹部が張っているような違和感が続いたり、明らかにお腹が張って出てくる等の症状がみられます。
下腹部の張って水が溜まる
危険な合併症を併発する恐れがある病気ですが、症状が軽度のうちに治療すれば重症化のリスクは抑えられますよ。
卵巣過剰刺激症候群の症状は以下の通りです。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の症状は?
排卵誘発剤とは、排卵を促すための薬です。不妊治療に使われることが多いです。
薬の力で排卵を促すため、様々な副作用があり、卵巣過剰刺激症候群はその副作用で引き起こされる病気の1つです。
お腹に溜まった水(腹水)で体重が急に増加することがあります。
いつもと変わらない食生活、生活を送っているのに体重が急に増加したときは注意が必要です。
急な体重の増加
お腹に溜まった水(腹水)が内臓を圧迫することで胸の痛みや吐き気を引き起こします。
気持ち悪い状態がずっと続いたり、実際に嘔吐がみられることがあります。
吐き気
脱水症状に似た症状
卵巣過剰刺激症候群が発見された段階では軽症なことがほとんどなので、経過観察しながら不妊治療を続けていくことになります。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の治療法は?
脱水症状に似た症状が見られます。
のどの渇きや尿が少ないなど、体が水分不足だと感じることが多くなった場合は悪化している可能性があります。
すぐに不妊治療中の病院の医師に相談するようにしてくださいね。
しかし、腹痛やお腹の張りがあって腹水がたまっているような、重症化しているようであれば、入院治療が必要になります。
入院治療が必要になると、排卵誘発剤の投与は止め、腹水を抜き、水分不足で固まりがちの血液を元の状態に戻すなど、それぞれの症状に合った治療を行います。
卵巣過剰刺激症候群の自覚症状があれば、不妊治療中の病院を受診するようにしてくださいね。
不妊治療の方針を考えなおさないといけないので、早期の受診が重要になります。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)でも妊娠できるの?
卵巣過剰刺激症候群になっても、妊娠することはできます。
ですが、卵巣過剰刺激症候群になった状態で妊娠すると、ホルモン量の変化によって症状が悪化してしまう危険性があります。
また、卵胞がたくさん発生している状況なので、多胎妊娠の可能性が高くなり、出産のリスクも高まります。
不妊治療をストップしているのであれば、妊娠の前に卵巣過剰刺激症候群の治療を優先するようにしてくださいね。
いかがでしたか?
不妊治療は卵巣過剰刺激症候群だけではなく、様々な病気が副作用で起こります。
不妊治療中は自分の体調をしっかり把握しておいてくださいね。