2016.04.01 Fri 更新

赤ちゃんへの影響も出るの?妊娠糖尿病の原因と治療法・予防法

赤ちゃんとママを危険にさらす「妊娠糖尿病」を知っていますか? この妊娠糖尿病は妊娠後の検査によってわかる病気です。 病気が判明してから治療を開始しても、赤ちゃんが取り返しのつかない病気になってしまうのが妊娠糖尿病の怖いところで お腹の赤ちゃんを健康に育てるためにも、ぜひ参考にして日頃の食生活に活かしていただければと思います。

赤ちゃんへの影響

家族や親戚に糖尿病の人がいる人、太り気味の人、高齢出産の人は妊娠糖尿病になりやすいようです。
妊娠糖尿病になると、流産早産、妊娠高血圧症候群、羊水過多症を起しやすくなります。

主な原因は、「胎盤から分泌されるホルモンが、血糖値のコントロールをするインスリンの機能を低下させること」、それに加え、「胎児へ送り出すためにブドウ糖が母体に増えること」で高血糖になり発症すると言われています。

「妊娠糖尿病」とは、妊娠中に初めて発見・発症した軽度の血糖値の異常のことです。
もともと糖尿病だった人が妊娠した場合と区別されます。
一緒かと思いきや、実は違ったんですね。
妊婦健診などで糖の値に+(プラス)が続くと、妊娠糖尿病かどうかの検査をすることになります。

妊娠糖尿病とは?

巨大児とは?

巨大児になると難産になり、お産が長引くリスクもありますし、出生後に呼吸器系の障害がみられることもあります。
赤ちゃんが大きすぎて帝王切開になる可能性も…。
また、高血糖状態が続くと、赤ちゃん自身が過剰な糖分がある状態に適応し、体内でインスリンを分泌する動きが高まります。
その状態で出産された赤ちゃんは、糖分の供給がなくなってインスリンだけが過剰分泌された状態になり、血糖値が危険なほど低下して昏睡状態に陥る可能性もあるようです。

「妊娠糖尿病」は、母体だけでなく赤ちゃんにも影響を与えます。
糖は胎盤を通って赤ちゃんにも送られるため、赤ちゃんの体内にもブドウ糖がたくさん供給されることになります。
必要以上にブドウ糖が供給されると、赤ちゃんがどんどん大きくなって巨大児になる可能性があります。

通常なら、「プロゲステロン」「エストロゲン」等女性ホルモンは卵巣で作られています。
ですが、妊娠した女性は、これらの女性ホルモンは胎盤から作られるように変わります。

このように通常とは違う状態となってる体の中で「インスリン」の働きも少なくなってしまうのです。

妊娠糖尿病の原因

遺伝が原因の場合は特に注意したい症状は出ません。
ママの糖尿病が原因で巨大児になった、非対称性巨大児の場合は、赤ちゃんに呼吸障害や呼吸困難、心不全、低血糖、低カルシウム血症、多血症、新生児黄疸などさまざまな病気や障害があらわれる可能性があります。

巨大児は病気や障害が出るの?

巨大児とは出生体重が4,000グラム以上の赤ちゃんのことをいいます。
出産予定日を過ぎての出産の場合だけでなく、出産予定日付近で産まれた赤ちゃんが巨大児である場合も多いです。
体が大きいというだけで、目で確認できるような異常はない赤ちゃんのことです。

そうなっているにもかかわらず、追い打ちのように、胎児の分のブドウ糖がさらに必要となるので、二重の原因で妊娠中の糖尿病が生じやすくなっているのです。
そしてさらに、その他の多くの栄養も必要となるために、妊婦さんの体の中では必死で不足した物を補おうとして、代謝異常を引き起こしさらに糖尿病が悪化するという事があります。

妊娠中は妊娠糖尿病だけでなく他の病気を誘発しないためにも、偏食しないように心がけましょう。
妊娠中の食事は、野菜を中心に味付けを薄めにし塩分に気をつけて作りましょう!
一日の塩分の摂取量は8g未満です。旬の新鮮な食材を食べると栄養素が豊富に摂取できるのでおすすめですよ。
また、カロリーが範囲内でも塩分が多い食事、油分が多い食事ばかりにならないようにしましょう。

妊娠糖尿病の注意点

また、妊婦さんの胎盤では、タンパク分解酵素が作られるために、インスリンが分解されてしまうという事も原因となっています。
そういった原因により、全くもって高カロリーの食事はしておらず、やせていて、生活習慣病もなく、さらに規則正しい生活を送っている方でも、妊娠してから突然なってしまう方がいます。

1.妊娠中に不足しやすい「鉄分」を多く含むもの
(例)ほうれん草、小松菜など
(※レバーは鉄分が多くて有名ですが、妊婦が摂り過ぎると良くないビタミンAも多く含まれています。食べ過ぎないようにしましょう)
2.鉄分やカルシウムの吸収を助ける「良質なタンパク質」
(例)ささみなどの脂肪が少ない肉、大豆製品、卵など

特に意識して食べたい栄養素

量に気をつけて食べた方が良い食べ物

治療法

1.インスタントラーメン、レトルトカレーなどの塩分や添加物の多いもの
2.カレーライスやエスニック料理などの香辛料を多く含む食べ物
3.お酒や栄養ドリンク

避けた方がよい食べ物

1.チョコレート、クッキー、アイスクリームなど糖分の多いお菓子
2.揚げ物などの油を多く含むもの
3.果物(バナナは一日1本、みかんは一日2個まで)

食事療法

基本的に、食事療法と運動療法から始めます。
食事療法では、3大栄養素である「糖質」「たんぱく質」「脂質」のうち、食後の血糖値を上げやすい糖質を過剰摂取しないように注意することが基本です。
また、運動療法においては、妊娠中ですから過度のダイエットや運動には注意をしてくださいね。

・糖分が少なく、栄養バランスのよい食事を心がける
・ご飯やパン類、穀物類などの炭水化物は、糖として吸収されるので摂取量に注意する
・決められた1日の摂取カロリーを守る
・スポーツ飲料などの飲み物や果物も糖分を多く含むものがあるため、注意する

運動療法

・食後に30分くらいウォーキングする
・マタニティヨガ、マタニティビクス、マタニティスイミング

食事や運動であまり改善が見られない場合は、内服薬が処方されることもあります。
それでも血糖値が下がらない場合、インスリン療法が必要となることもあり、インスリン注射を打つこともあります。

予防方法は?

妊娠糖尿病の予防には、普段から「バランスの良い食生活」、「適度な運動」を心がけるようにしましょう。
これは妊娠糖尿病対策だけでなく、出産する上でもとても大切なことです。
安全な出産を迎えるためにも、規則正しい生活になるよう心がけたいですね。

妊娠糖尿病は糖尿病へ移行する?

妊娠糖尿病であれば出産後には治るのですが、妊娠中に高血糖が続いていた場合には「糖尿病」に移行する可能性があります。
そのため妊娠糖尿病の場合も、血糖値があまりに高い場合は内服薬やインスリン注射を併用することがあります。
ただ、妊娠中の高血糖は生活習慣が主な原因ですから、生活習慣を見直すことが妊娠中の血糖値を下げる第一歩です
妊婦検診の血液検査で血糖値が高いと診断された場合は、これまでの生活習慣を見直してみてくださいね。

妊娠糖尿病になると、食事療法によって厳しい血糖値管理をしなければいけません。
母体や赤ちゃんにも影響があり、また将来、糖尿病やメタボリック症候群になるリスクもあります。
そうならないためにも、日頃から食事内容に気をつけて予防したいですね。

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