2016.06.13 Mon 更新

新生児髄膜炎ってどんな病気?無菌性髄膜炎と細菌性髄膜炎

髄膜炎は、脳や脊髄を守っている「髄膜」が炎症を起こしている状態です。髄膜炎には「無菌性髄膜炎」と「細菌性髄膜炎」の2通りがあり、無菌性髄膜炎の方が発症する割合が高く重症化しにくいのですが、万が一細菌性髄膜炎にかかってしまうと死の危険性があります。新生児髄膜炎とはどんな病気なのかご紹介していきます。

標準的な検査を行い、細菌の検出がされなかった場合に診断されます。原因として最も多いのはウイルスで、黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性(たいせい)黄色ブドウ球菌を含む)、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(表皮ブドウ球菌など)、B群溶血性連鎖球菌、緑膿菌(りょくのうきん)、クレブシエラ菌、セラチア菌といった消化管に常駐しているものです。
無菌性髄膜炎は通常はウイルスによって起こりますが、その他にも真菌、薬剤、百日ぜきや狂犬病などに対するワクチンへの反応が原因で起こることもあります。

原因

無菌性髄膜炎

脳や脊髄を守るために覆っている膜を「髄膜」と言います。この髄膜に細菌、ウイルス、真菌などの細菌が入り込んでしまい、中枢神経系に炎症を起こす病気のことを新生児髄膜炎と言います。
髄液中での細菌などの増殖により、さまざまな脳神経細胞障害、脳のむくみなどが生じることで後遺症となったり、最悪の場合死に至ることもあります。大人が髄膜炎にかかることはほとんどなく、生後6ヶ月~2歳くらいまでの赤ちゃんに多く見られ、1万人に約1人の割合で新生児髄膜炎を発症します。普通の風邪と見分けがつきにくいため早い段階では診断がつきにくく、重症化しやすいという特徴があります。髄膜炎は、「無菌性髄膜炎」と「細菌性髄膜炎」の2つに分けることができます。

髄膜炎とは

細菌性髄膜炎

無菌性髄膜炎と診断された場合、ウイルスに対する特効薬がないため、対症療法を行います。静脈内注射による水分補給を行うと、頭痛と発熱を軽減できます。嘔吐や下痢がひどければ点滴で水分補給をさせて症状が悪化するのを防ぎます。

治療

症状は全身に現れることが多く、発熱、全身のけん怠感、せき、筋肉痛、頭痛など風邪と似た症状がみられます。
細菌性髄膜炎の症状と似ていますが、細菌性髄膜炎ほど具合が悪くなることはほとんどありません。原因が感染症でない場合は、発熱がないこともあります。
赤ちゃんが髄膜炎になる場合は無菌性髄膜炎が多いですが、きちんと治療すれば1~2週間以内に回復します。

症状

発熱、頭痛、首の硬直、咽頭痛、嘔吐など風邪に似た症状が現れます。これらの症状が現れる前に、のどの痛み、せき、鼻水などの呼吸器系の症状が出ていることもあります。
無菌性髄膜炎とは異なる症状では、皮膚の下の細い血管が炎症・出血をおこし皮膚に発疹が現れるなどがあります。

症状

細菌性髄膜炎は細菌によって起こる髄膜炎です。インフルエンザ菌や肺炎球菌、髄膜炎菌が原因のほとんどを占めています。肺炎球菌・髄膜炎菌は人間の鼻や上気道に存在していることがあります。普通は有害な影響を及ぼすことはありませんが、何らかの原因で免疫力が低下した際に髄膜に感染することがあります。細菌性髄膜炎が起こりやすくなる条件として、心臓、肺、肝臓、腎臓、関節、内分泌系、免疫系のいずれかの病気がある、中耳、鼻の感染症、鎌状赤血球症(かまじょうせっけっきゅう)患者というのがあげられます。
細菌性髄膜炎はかかると重症化しやすいのが特徴です。4歳くらいまではかかりやすいため、感染しないように気をつけることが大切です。適切な治療を行っても約5%が死亡するといわれます。

原因

治療

細菌性と診断された場合は、重症化の危険性があるため診断の結果を待たずに治療を開始します。数種類の抗生物質、または細菌が特定されていれば細菌にあわせた抗生物質を投与します。入院して2~3週間は抗生物質を投与し続け、定期的に血液検査や髄膜検査をしながら投与を止める時期を検討することになります。症状に合わせた対処療法も行われ、発熱、発汗、嘔吐、食欲不振によって失われた水分を補給します。近年では、細菌が薬に対しての耐性をつけてしまい、適切な治療が難しくなってきているそうです。

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