子宮体がんの症状
しかし、ここ20年ほどの間に、欧米諸国に多い子宮体がんが日本でも次第に増えてきました。
子宮体がんは、50〜60代に最も多く発見されますが、5%は40歳未満で発見されます。
子宮頸がんと子宮体がんは原因や症状、治療法も異なる別の病気です。
日本人の場合、子宮頸がんが圧倒的に多く、子宮がんの約80%を占めていました。
子宮に出来るがんには2つの種類あります。
子宮の入り口付近の子宮頚部にできるものを「子宮頸がん」、子宮の奥の体部粘膜にできるものを「子宮体がん」と言います。
子宮体がんとは
しかし、排卵の障害などのために子宮内膜がプロゲステロンの作用を受けないままエストロゲンに刺激され続けると、子宮内膜が過剰に増殖し、子宮体がんの発生母地になってしまうのです。
さらに卵巣から分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)の作用により、子宮内膜は分泌機内膜に分化します。
正常なホルモン環境では子宮内膜は、増殖・分化・剥離のサイクルを繰り返します。
子宮体がんの発生には、女性ホルモンであるエストロゲンによる子宮内膜の刺激作用が関与していると言われています。
子宮内膜は卵巣から分泌されるエストロゲンの作用によって増殖します。
子宮体がんの原因
ほとんどのケースで不正性器出血(月経以外の出血)が見られます。
そのほか、水っぽいおりものや血液の混じったおりものがでたり、下腹部痛がみられることもあります。
子宮体がんの検査方法
これらは子宮体がんの危険因子と言われています。
逆に、経口避妊薬の使用により子宮体がんの発生率が下がると言われています。
・肥満
・妊娠や出産の経験がない
・不妊症
・月経不順
・遅い閉経年齢(53歳以上)
・糖尿病
・高血圧症
・乳がん、大腸がんの既往歴
子宮体がんになりやすい人
超音波検査
検査は外来で十分に可能です。
検査方法は、子宮の内部に細い棒状の器具を挿入して細胞を採取して検査する子宮内膜細胞診が一般的です。
疑わしいところがあれば、さらにさじ状の器具を使って組織を採取して診断することも行います。
子宮内膜細胞診
子宮体がんの治療法・生存率
子宮体がんの患者さんは比較的高齢の方が多いので、子宮の中まで器具を挿入することが難しい方もおられます。
このような方には超音波検査で子宮内膜の厚さを測って判断することも行われます。
初期段階であれば、がん細胞の増殖の原因となるホルモンの分泌を薬で抑えます。
症状が進行していれば、子宮頸がんと同様に全摘出手術が行われます。
子宮体がんも、他のがんと同様にステージⅠ期からⅣ期に分類されます。
子宮粘膜内に留まるステージⅠに治療を行っていれば予後は良く、5年・10年生存率は90%近いといわれます。
子宮体がんは子宮頸がんと比べ、あまり馴染みがない病気かもしれません。
高齢の方がかかりやすい病気ですが、近年では若い方でも徐々に患者さんが増えています。
定期的な検診を行うことや、不正出血があったときは必ず婦人科で検査をすることが大切です。
まとめ
しかし、病状が進行して骨盤内や骨盤リンパ節にがんが浸潤しているⅢ期や、他の臓器に転移しているⅣ期まで進んだ場合の5年生存率は約10〜20%まで減少します。
早期発見・早期治療ができれば十分に完治できる病気なので、定期的ながん検診が大切になります。