外陰がんは患者の約90%がしこりに気づき病院を受診します。
大きく盛り上がるようなものよりも、平たく固くなるタイプのしこりが多く、気づきにくい場合があります。
また、初期症状として、しつこく続くかゆみを感じる場合もあります。
がんが進行し潰瘍が形成されると、痛みや排尿時の灼熱感などを感じるようになります。
・しこり
・外陰部の白色・茶色・赤色の斑点
・潰瘍・出血
・疼痛(疼くような痛み)
・外陰部のほてり・かゆみ
・激しい痛み
・おりものに血が混じる
外陰がんの症状
外陰がんとは、女性器の外側の部分(恥丘、大陰唇、小陰唇、陰核、外尿道口、膣前庭、会陰など)、いわゆるデリケートゾーンに生じる皮膚がんです。
外陰がんは婦人科が扱う悪性がんの中では約3~4%と少なく、日本での年間発生数は10万人あたり0.5人以下と、比較的まれな病気です。
外陰がんは自覚症状がない場合が多く、異常を感じても恥ずかしさから受診をためらう場合があるため、発見が遅れるケースが多いといわれています。
外陰がんとは
外陰がんの検査・診断
・ヒトパピローマウイルス(HPV)感染
・硬化性苔癬(外陰部に生じる炎症性の皮膚疾患)
・外陰部の組織の形成異常
・膣がん、子宮頸がん
・慢性肉芽筋腫(免疫力を低下させる遺伝性の疾患)
・高齢
・喫煙
外陰がんが発生する直接的な原因はまだわかっていません。
しかし、発生リスクが高まる要因として、以下のようなものが考えられています。
外陰がんの原因
外陰がんはゆっくりと増殖し、何年も表面にとどまるケースが多いのですが、なかには転移のスピード早いものもあるので注意が必要です。
治療をしないまま放置してしまうと、やがて膣、尿道、肛門などに広がり、それぞれの部位のリンパ節へと転移するおそれがあります。
異常を感じたらすぐに婦人科を受診しましょう。
ステージが初期の場合
外陰がんの治療法
外陰がんの検査は医師が触診を行います。
そして外陰がんの疑いがある場合は、局部麻酔をして患部の皮膚サンプルを採取し、詳しい検査を行います。
この検査によって外陰部に生じている症状が癌性のものなのか、感染症や炎症によるものかを判断します。
外陰がんが早期に発見され、ステージが初期の場合は、外陰部の一部もしくは全体を手術によって切除します。
また、患部近くのリンパ節も切除します。
初期であれば必要な治療は通常これだけになります。
外陰がんの生存率
既に進行したがんでは、外陰部の切除の前に、放射線治療と抗がん剤を使用した化学療法を併用します。
これらの治療により、がんが縮小し切除しやすくなります。
がんが外陰を越えて広がっていたり、ほかの器官にも転移している場合には、陰核や骨盤内にあるほかの臓器も切除する「骨盤内蔵摘出術」を行います。
がんを切除したあとは、体のほかの部位から皮膚などを移植する場合や、人口の外陰や膣を形成するための形成外科手術を行うこともあります。
がんが進行している場合
外陰がんの5年生存率は、がんがリンパ節に転移していたかどうかによって異なります。
転移がない場合の生存率は96%ですが、転移していた場合には66%まで下がるとされています。
がんのタイプや年齢、合併症の有無の影響を受けるため、データは目安としてとらえてくださいね。