新生児仮死にはいくつかの原因がありますが、以下の様なものが考えられるといわれています。
どうして新生児仮死になるの?
おなかの中から出てくることで自発的な肺呼吸に切り替わり、通常なら産後30秒以内に産声を上げることで、赤ちゃん自身が自分の力で呼吸をするようになります。
しかし、最初の呼吸がうまく行かなかったり、循環不全が起こって酸素がうまく全身に行き渡らないと酸素不全に陥り、新生児仮死の状態になってしまうのです。
生まれたばかりで呼吸・循環不全によって低酸素状態になることを「新生児仮死」といいます。
赤ちゃんはおなかの中にいる間はへその緒を通して栄養や酸素をもらい、二酸化炭素や老廃物を戻してママの体で処理しています。
新生児仮死ってどういう状態?
● 呼吸
1. なし(0点)
2. 不規則(1点)
3. 強く泣く(2点)
アプガースコアの評価項目と点数
新生児仮死の判断基準にはアメリカで60年以上前に開発され、現在でも広く用いられているアプガースコアといわれる方法が使用されます。
産後1分と5分の2回ずつ、幾つかの項目で点数をつけ判断するもので、それぞれ10点満点で評価し、7点以上で正常、4〜6点で軽症の新生児仮死、0〜3店で重症の新生児仮死と判断されます。
新生児仮死の判断基準
・首にへその緒が巻きついている
・破水時に赤ちゃんより先にへその緒がおりてくる
・胎盤の機能不全
・胎児の発育不全
・前置胎盤
・胎盤早期剥離
● 皮膚の色について
1. 全身が蒼白(0点)
2. 体幹はピンクで手足がチアノーゼ(1点)
3. 全身ピンク(2点)
● 鼻への刺激の反応
1. 反応なし(0点)
2. 顔をしかめる(1点)
3. 元気に泣く(2点)
● 手足の筋肉の動き
1. だらんとしている(0点)
2. 少し曲げる(1点)
3. 活発に動かす(2点)
● 心拍数
1. なし(0点)
2. 毎分100回未満(1点)
3. 毎分100回以上(2点)
新生児仮死と判断された時は?
新生児仮死の後遺症
生まれた時に仮死状態だった赤ちゃんでも、早期に適切な処置や治療を行うことで後遺症も残らずに健康に過ごすことができます。
妊娠中から以上がないかしっかりと観察し、管理しておくことと何かあった時にどのような対策を行うべきかを知っておくことが大切です。
新生児仮死と判断された時には、低酸素状態を改善するために処置が行われます。
吸引や送管で気道を確保し、体を温めるためにウォーマーに入れられます。
また、赤ちゃんの状態によっては酸素投与や輸液投与を行う事もあります。
酸素が十分に送られないことで、一番先にダメージを受けるのは脳です。
酸素が不足している状態が続くと、脳細胞が壊死し二度と元には戻りません。
新生児仮死の状態が長引くと、その分脳が受けるダメージが大きくなり、脳のどこがダメージを受けたかで知能障害や運動障害などが起こることもあります。
新生児仮死によって起こる後遺症のほとんどは、1歳頃までにわかるといわれており、症状が重いほど早くわかります。
1歳を過ぎる頃までに特別な問題が表れなければ、後遺症が残る可能性は低いといわれています。