不妊治療でのエストラーナテープの使われ方
通常は、更年期障害や卵巣欠落症状にともなう、ほてりや、発汗、泌尿生殖器の委縮、閉経後の骨粗鬆症の治療、性腺昨日低下症、性腺摘出等の、エストロゲンの不足を補う目的で使用されます。
エストラーナテープの、主成分は女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)の成分の一つ、エストラジオ―ルで、エストラジオ―ルは、通常は卵巣から分泌される成分です。
受精卵は子宮内で、子宮内膜に根をはやして、着床を完了させます。
そのため、うまく着床できるようなふかふかのベッドのような役割を果たす子宮内膜をより厚くすることが望まれます。
子宮内膜は、もともと卵巣から卵胞ホルモンが分泌されると徐々に厚くなるものですが、胚移植の際には10~12mmの厚さが最も理想とされ、さらに厚くさせることで、着床率を高めます。
エストラーナテープは、その子宮内膜をさらに厚くする作用を促がす楕円形のパッチのような張り薬ですです。
エストラーナテープとは
「エストラーナテープ」ってご存知ですか?
不妊治療の際によく処方されるテープなのですが、あまり知られてないんですよね。
どのような作用や、効果があり、また、副作用はないのか、分からないことばかりです。
今回はそんな「エストラーテープ」についてご紹介します。
更年期障害などの通常の使用方法は、1枚のテープを下腹部か臀部に貼って、2日ごとに張り替えるという療法になっていますが、不妊治療の場合は、この量よりも多く、2枚以上処方されることがあります。
医師により、何処に貼るのかという指導なども受けると思いますが、下腹部のおへその周りという指示があるようです。
ホルモン補充周期により、枚数なども増えるなど、指示通りに貼るようにします。
エストラーナテープを使い、卵巣ホルモンの1つであるエストラジオールの数値をあげます。
卵胞ホルモンは、子宮内膜を厚くするために必要なホルモンです。
エストラジオ―ルの数値が低い場合、着床しにくく、着床しても流産の可能性が高くなるため、エストラーナテープで、子宮内膜を厚くして妊娠しやすいよう処方されます。
臀部や下腹部まわりの皮膚に直接貼ることにより、シールに施されていた成分が皮膚から吸収され、血液を通して作用していきます。
すぐに使用をやめないといけない副作用は、呼吸困難、蕁麻疹、全身けいれん怠感(アナフィラキシー)脚のいたみ、浮腫、胸の痛み、息切れ (血栓性静脈炎)等があります。
一番よく問題になるのが、テープを張ったところがかぶれるという場合です。
下腹部の皮膚は、デリケートなところなので、赤くなって痒くなるので我慢できないという人が多くいます。
対策として、同じところに貼らないということと、貼るところを十分保湿しておくことと、貼る前には汗を十分ふき取ってから貼ります。
主な副作用は 乳房が張る、痛む、吐き気、不正出血、帯下などです。
エストラーナテープの副作用
テープを張って2日ごとに張り替えるため、お風呂などで取れてしまうといこともあるようです。
テープの上から、絆創膏をはったり、防水のケアフィルムなどを貼っておくと、はがれにくくなります。
エストロゲン依存性腫瘍(乳がん、子宮内膜ガン)に以前かかっている場合や、家族が乳がんであるという、乳がん家族素因が強い等、血栓性の病気、肝障害、異常性器出血などがある場合は使用前に医師と相談してから、使用するようにします。
着床から妊娠にいたるには、卵の質、子宮に戻すタイミングなどさまざまな要素がうまくかみあった上で成り立ち、その中でも重要となるのは、卵の直接の受け皿となる子宮内膜の環境です。
子宮内膜の厚さが鍵になる
胸に貼ると、エストラジオールが乳房局所の細胞に高濃度で到達すると、乳がんのリスクが高くなると言う報告があります。
妊娠、授乳期にも、使用はしてはいけません。
ホルモン剤は、使用方法を間違うとリスクの高い薬であることを自覚して自分で勝手に、枚数を増やすようなことのないように医師の処方に従って使用するようにしましょう。
自然周期の中でも卵胞ホルモンの作用によって、子宮内膜は厚くなりますが、着床につながる理想の厚さになるかどうかについては、個人差やその周期のコンディションによっても違ってきます。
この内膜に作用するエストラーナテープは不妊治療においては、必要不可欠なのかもしれません。
また、テープの張り替え忘れなどをしてしまうと、せっかくの効果が得られません。
しっかりスケジュール帳などで管理しながら、正しく薬の使用を行うようにしましょう。