2016.06.03 Fri 更新

授乳中ってタバコは大丈夫?赤ちゃんへの影響は?その影響や間隔について

もともと喫煙されていたお母さんは、赤ちゃんを無事に出産したらまた吸い始められると思っていたかもしれませんが、授乳育児をされる方はもう少しおあずけです。また、うちはミルクで育てる、という方も喫煙はちょっと待ってください。新生児はとってもデリケートなので、ニコチンを吸った体で接するのは刺激が強すぎます。我慢をするのは大変ですが、赤ちゃんが大きくなるのはあっという間ですよ。

吸った後どのくらいの間隔で母乳をあげたらいいの?

母乳からのニコチン移行の影響か受動喫煙の影響か、どれだけリスクがあるかはまだ解明されていませんが、パパママの喫煙は、乳幼児突然死症候群(SIDS)、気管支喘息、呼吸器疾患、肺炎、アレルギー(アトピー、鼻炎など)、注意欠陥多動性障害などのリスクを高めるといわれています。

タバコに含まれるニコチンは血液に溶けます。
母乳は血液からできているので、喫煙したママの母乳を飲むと、赤ちゃんもニコチンを吸収してしまうのです。
母乳に含まれるニコチン濃度は、ママの血液の約2~3倍になるといわれています。
また、ニコチンは血管を収縮させ血流を阻害するので、母乳が出にくくなってしまいます。
母乳からのニコチン移行だけではなく、小児期における受動喫煙も健康に悪い影響を及ぼします。

タバコが与える赤ちゃんへの影響

元々タバコを吸っていたけど妊娠中は我慢した。出産したからタバコを吸いたい!と思う喫煙者なお母さんは少なくありません。
ですが、タバコを吸うと母乳にどのような影響があるのかご存知ですか?今回は「授乳中のタバコが赤ちゃんに与える影響」についてご紹介します。

ニコチンの血中濃度が低下するとストレスを感じてしまいます。
ですが、ニコチンを補給することによって快楽を得られます。
こうしてニコチン依存症になるのです。
「育児のストレスをたばこが紛らわせてくれる」というのは全くの嘘で、誤った認識であることを知っておきましょう。

よく「禁煙するとストレスが溜まる」と言いますが、それは大きな間違いです。
喫煙することで、「ストレスが発散できている」と感じているのは、ニコチン依存症状による勘違いです。

喫煙はストレスを発散?

人によっては、喫煙後3時間程度で母乳中のニコチンはなくなると言う人もいます。
ですが、半減期は人によって大きく違いがあります。
ニコチンに対する感受性も母親、乳児ともに個人差が大きくあるため、「何時間たったら大丈夫」と言う基準を設けるのは難しいとされています。

我慢しきれずに喫煙してしまったお母さんの多くが思う疑問は「どの程度間隔をあけたら再び授乳できるか」です。
母親の血液中、または母乳中に含まれるニコチンの半減期は60~90分程度です。
半減期とは血中の濃度が半分になるまでの時間のことを言います。
薬剤の場合では一般的に、血中半減期の5倍の時間が経過すれば、血液中から薬剤は消失したとみなされます。
つまり450分程度、だいたい7時間半くらいです。

ニコチン依存症は病気です。
気持ちの問題で解決できるものではありません。
禁煙を決心したら、禁煙外来を受診することをオススメします。

禁煙外来

禁煙したい!と思っても、簡単にはやめられないのがタバコの怖いところ。
どのように禁煙したらいいのか、代表的な禁煙方法をご紹介します。

どうやって禁煙する?

最近では、産婦人科で禁煙外来を行っているクリニックが多くなってきました。
通常、妊娠・授乳期には禁煙補助剤を使用することができません。
ですが、婦人科の禁煙外来では、ニコチン依存症状を診断したうえで、必要に応じて禁煙補助剤を処方してくれます。
その際、具体的な使い方を指導してくれることもありますよ。

地域の子育て交流の場に出かけて友達を作ってみたり、タバコを買ったつもりでする「つもり貯金」、おいしいものを食べたり洋服を買う等、気がまぎれることをしましょう。

子育ては、誰にとっても大変なものです。
タバコで気分を紛らわせたくなることもあると思います。
でも、そこをぐっとこらえて、タバコ以外の方法で気分転換をしましょう。

喫煙以外の楽しみ、生活リズムをつくる

ガムタイプやシールタイプの禁煙補助剤の添付文書には、授乳中は使用しないよう記載されています。
これは、母乳中に成分が移行してしまうからです。
禁煙補助剤の影響で、赤ちゃんの脈が速くなる等の何かしら良くない影響を与えてしまいます。

自己判断での禁煙補助剤を使わない

いかがでしたか?
母乳の分泌が悪くなるということ、母乳中に含まれるニコチンの量の多さや、ニコチンが消失するまで長い時間が必要になることもあり、喫煙と授乳を両立するのは諦めるのが1番です。禁煙は、子どものために、自分自身の健康のためにとても大切なことです。喫煙される方は、禁煙することを視野に入れて考えてみてくださいね。

このまとめに関する記事

ランキング

ページトップへ