2016.07.09 Sat 更新

赤ちゃん・新生児の気管支肺異形成症ってどんな病気?その原因や治療法について

早産で生まれた赤ちゃんは「気管支肺異形成症」を発症する可能性があります。新生児に現れるものなので大人には馴染みのない病気です。今回は気管支肺異形成症の原因や症状、治療法について調べてみました。

気管支肺異形成症の原因

出生後数日から数週間くらいから、多呼吸、陥没呼吸(息を吸い込むときに肋骨の間や胸骨の下がへこむ呼吸)、チアノーゼなどの呼吸障害がゆっくりと進行していきます。
胸部X線検査では、泡沫状陰影、気腫状陰影、索状陰影などの異常所見が見られます。
ほとんどの場合、生命に関わることはありません。しかし完治するまでには軽い場合でも数週間、重い場合では数年要することもあります。

気管支肺異形成症の症状

新生児で、生後1ヶ月を過ぎても酸素吸入を必要とするような呼吸困難症状があり、胸部X線検査で異常な陰影を示すものを「慢性肺疾患」と呼んでいます。
肺疾患によって症状となる種類はいくつかに分かれますが、そのなかで「呼吸窮迫症候群」の後に発症する慢性肺疾患を「気管支肺異形成症 」と呼びます。
慢性肺疾患を総称して気管支肺異形成症と呼ぶ場合もあります。

気管支肺異形成症とは?

気管支肺異形成症の治療法

また、早産・低出生体重児だからといって必ず気管支肺異形成症になるわけではありません。
酸素投与や人工呼吸器管理を行う期間や、機械の設定を強くしすぎないことで、未熟な肺を守ることができます。

早産や低出生体重を避けることが気管支肺異形成症の予防につながります。
妊娠中は生活習慣・食事バランスに気をつけましょう。
ストレスを溜めないことや、喫煙・アルコールを避けることなどの体調管理をしましょう。

気管支肺異形成症の予防

ほとんどの場合、早産や低出生体重の新生児に発症します。
肺が十分に発達していない状態の赤ちゃんは、生まれてすぐに呼吸のサポートが必要になります。
サポートがなければ呼吸が難しいのですが、酸素や人工呼吸器で加えられる圧力などの強い刺激を受けることで未熟な肺や気管支はダメージを受けます。
酸素投与や人工呼吸器管理が長引いた場合に気管支肺異形成症になると言われています。

気管支肺異形成症の予後

肺組織の自己修復を促すために、栄養をしっかりとることも非常に大切です。
どの治療法でも急激に改善することはないので、長期的な管理が必要になります。
肺や気管支が徐々に成長するにつれ、症状が軽くなったり消失することもよくあります。
軽快には個人差があり、半年くらいのこともあれば数年要することもあります。

気管支肺異形成症になった場合は、呼吸障害に対して人工呼吸器による補助や酸素吸入が行われます。
気管支拡張剤、ビタミン剤、マクロライド系抗生剤などの薬剤が使用される場合がります。
むくみが呼吸障害を悪化させるので、水分の制限と利尿薬の投与が行われる場合もあります。
呼吸障害が急に悪化した場合や、人工呼吸器による治療が長期化しそうな場合に、ステロイドホルモンによる治療が行われることがあります。

気管支肺異形成症はほとんどの場合、治療によって回復する病気です。重い場合は退院後も在宅酸素療法が必要になることもありますが、多くはゆっくりと治っていきます。
しかし、この病気にかかった赤ちゃんは、後に喘息やRSウイルス感染症などのウイルス性肺炎などにかかるリスクが高くなるそうです。
ママは体調管理に気をつけてあげてくださいね。

タバコの煙、室内暖房器具、ストーブの煙にさらされることがないようにしてあげましょう。
RSウイルス感染症に対してある程度の免疫をつけるために、特異抗体を投与することも可能です。
この抗体は、秋から冬の間に1ヶ月ごろに注射する必要があります。

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