また、まれに赤ちゃんだけでなく、お母さんの体にも症状があらわれる場合があります。
痛みを感じたり、命の危険があることはほとんどありませんが、自覚症状としては、体重が増える、足や手などの末端にぶよぶよとしたむくみがあらわれる、頭が痛い、などがあります。
胎盤機能不全症候群で生まれた赤ちゃんは、痩せて細長い体型をしています。これは、胎盤の機能の低下により、十分な栄養を受け取ることができなかったためです。また、皮膚がしわしわで乾燥しており、皮膚の亀裂や表皮の剥離が見られます。他にも、髪の毛が長い、爪が長い、顔つきが大人びているといった見た目の特徴があります。
また、低酸素であったために、胎内で胎便を排泄している場合があります。胎内で排便していることによって、羊水が濁ってしまい、赤ちゃんの皮膚や臍帯が黄緑色に変色していることがあります。
他にも、脱水や低体温、多血症、低血糖といった症状があらわれる場合があります。
胎盤機能不全症候群の症状
胎盤とは、子宮の内壁にできる器官で、妊娠5週ごろから作られ始め、13週ごろに完成します。通常は子宮の上部にあり、へその緒で赤ちゃんとお母さんをつなぎます。赤ちゃんの肺・消化器・腎臓は機能していないため、それらの代わりに母体から赤ちゃんへ酸素や栄養を渡し、老廃物や二酸化炭素を母体へ送り返す大切な働きをしています。
また、胎盤はホルモンを作る働きに関係していたり、細菌などの感染から赤ちゃんを守るなど様々な役割を担っています。
これらの機能が低下してしまうことを、胎盤機能不全症候群と言い、赤ちゃんだけでなく、お母さんにもさまざまな合併症を引き起こします。
胎盤機能不全症候群とは
・糖尿病を患っている
・腎炎を患っている
・妊娠から42週以上超えた過期妊娠
・妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)
・高齢出産
・血液凝固障害がある
・薬物乱用の経験がある
・喫煙者である
・慢性的な高血圧である
胎盤機能不全になる原因は、下記のようなものが挙げられます。
胎盤機能不全症候群の原因
自覚の難しい症状としては、血圧が上がる、尿にタンパク質が漏れる、役割を果たしていない胎盤が剥がれてしまう、まだ赤ちゃんが生まれる時期ではないのに、早期に出産してしまうなどがあります。あまりに早い早期出産だと、出産の途中で赤ちゃんが亡くなってしまったり、脳に障害を持って生まれてくることがあります。
また、胎盤機能不全症候群により羊水量が減ってしまうと、突然胎児死亡を引き起こしてしまう可能性もあります。
胎盤機能不全症候群の予防
胎盤機能不全症候群と診断された場合は、妊娠中はなるべく家で安静に過ごすことが悪化を防ぐことにつながります。 また、出産後に異状に気づいたら、病院を受診し、多血症や低血糖などの症状がないか検査、および治療をしてもらいましょう。
胎盤機能不全症候群と診断されたら
喫煙など、自分で改善できるものは改善し、糖尿病や腎炎など自分でコントロールができないものは、通院している病院に妊娠をしていること、または妊娠を希望していることを伝えて、処方や治療法に配慮してもらいましょう。
妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)は、塩分を控えることで予防することができます。胎盤機能不全症候群に繋がらないように食事に気をつけましょう。
胎盤機能不全症候群の原因の一つである妊娠中毒症妊娠高血圧症候群)にならない為に、塩分を控えたバランスのよい食事を心がけましょう。妊娠中の塩分は、1日10g以下が目安です。体重増加に気を付けストレスのない生活を送りましょう。