2016.07.23 Sat 更新

双子の出産。気になる分娩方法、妊娠する確率やリスクについて解説

一人を出産する場合に比べてリスクの高い双子の出産。 胎児が大きくなってくると切迫早産の可能性が高まることもあり、妊娠30週前後で管理入院をすすめられることもあります。 今回は「双子出産の分娩方法、双子を妊娠する確率やリスク」についてご紹介します!

自然妊娠での産まれる可能性はとても低く、0.3~0.4%程度です。

一卵性双生児は、1つの受精卵が2つに分かれたため産まれます。
一卵性双生児はもともとは受精卵だったので性別や血液型は同じです。
受精卵が同じだったためか、顔もそっくりです。
でも、手の指紋は全く同じにはなりません。
ごくわずかな確率で性別なども違う場合もあるようです。

一卵性双生児

「双子」とひとまとめに言っても、双子には「一卵性」と「二卵性」があります。

「一卵性」と「二卵性」

一卵性双生児の双子が産まれる割合は世界的に見てもそこまでの大差はありません。
自然妊娠での産まれる可能性はとても低く、0.3~0.4%程度です。

双子を妊娠する確率

受精卵が2つ着床したものになるの双子であっても、DNAは違います。
血液型も性別も異なる事もあります。

二卵性双生児は、2つの卵子が排卵され、2つの精子と卵子が同時に受精し着床した場合に産まれます。

二卵性双生児

不妊治療

双子の出生率は、お母さんの年齢も大きく関わっているそうです。
お母さんのの年齢が35歳~39歳の場合、双子が産まれる割合は21.7%です。
20歳未満での出産の場合では、双子が産まれる確率は0.63%程度しかありません。

高齢出産

二卵性双生児は、地域差や人種差があるものだと言われています。
人種による二卵性双生児が生まれる割合は、自然妊娠の場合だと黒人が一番高いです。
その次が白人、ヒスパニック系、アジア人です。
日本での二卵性双生児が産まれる可能性は約1%程度です。
100組に1組程、日本では誕生していると言われています。

不妊治療での体外受精などの治療は、妊娠率を上げるために複数の受精卵を胎内に戻します。
そのため、双子や双子以上の多胎人妊娠が増えているようです。
排卵誘発剤をつかった治療では、卵子が複数、同時に排卵する事もあります。
そうして、双子や多胎妊娠の確率が上がるのだと言われています。
とある研究結果で、体外受精の場合、自然妊娠に比べて一卵性双生児が産まれる確率が2倍になると言われています。

双子の分娩方法は、自然分娩と帝王切開の二種類があります。
条件を満たせば経膣での自然分娩も選べますが、一般的には帝王切開での出産が多いです。

双子の分娩方法

自然分娩

帝王切開

様々な条件を満たした場合に限り、自然分娩が可能です。
一人目を出産した後に再度陣痛がきて、二人目を出産するという流れです。
一人目と二人目の間は10分~数時間と個人差が大きいので、体力面が心配ですね。
双子を経膣で出産できる医療機関は限られています。
医療機関によって条件は異なるため、自然分娩が希望の方は、早めに病院に問い合わせておきましょう。

安全性を考慮して、帝王切開での出産が多いそうです。
二人の赤ちゃんが成長すると、子宮がかなり大きくなります。
赤ちゃんやお母さんの体のことを考え、妊娠36週前後で計画分娩になるケースがほとんどです。

自然分娩をしていても、場合によっては緊急帝王切開となるケースもあります。
母子の安全性を優先してくださいね。

双子の妊娠は、目に見えて分かる身体の変化だけではなく、お母さんの体・お腹の赤ちゃんへのリスクも大きいです。
双胎妊娠特有の代表的なリスクをご紹介します。

双子を妊娠するとリスクが…?

双子を妊娠した場合は2人分の赤ちゃんの栄養が必要になります。
自分自身の栄養も必要ですので、計3人分の栄養を摂取しなければなりません。
お腹の中の赤ちゃんがどんどん大きくなるにつれて、お母さんの体の栄養素も持っていかれる、ということも多いです。

2人分の栄養素が必要

早産や難産になりやすい

お腹の中で双子の赤ちゃんが大きくなってくると子宮が満杯状態になります。
そうなると、押し出されるような状態になります。

子宮が急に大きくなり、お腹も張りやすくなります。
お腹が張りやすいこと、子宮頸管が短くなりやすいことから、切迫早産や早産の危険も高まります。
双子を妊娠している場合は、早めの入院が必要になり、予定日よりも早くに出産するようことも珍しくありません。

低出生体重児が産まれやすい

産まれた時の体重が2500グラム未満の赤ちゃんのことを「出生体重児」と言います。
低出生体重児の場合は、産まれた後に新生児集中治療室や母体胎児集中治療室でのケアが必要になることが多いです。

貧血

赤ちゃん2人分の鉄分が必要なので、単胎妊娠よりも貧血になりやすいようです。
過度の貧血でなければ胎児への影響はほとんどありません。
ですが、お母さんの疲労感が強くなります。

双胎間輸血症候群

1つの胎盤を2人の胎児が共有する「一絨毛膜双胎」に起こる病気です。
流れてくる血液のバランスが偏ってしまう病気です。
片方の赤ちゃんには血液が多く、もう片方の赤ちゃんには血液が少ないといった配分になります。

血液がたくさん来る方の赤ちゃんは羊水過多になります。
血液たくさん来ない方の赤ちゃんは羊水過少になります。
羊水過多は心不全の原因になり、羊水過少だと赤ちゃんの発育不全を引き起こしてしまいます。

バニシングツイン

双胎妊娠の初期に起こる初期流産の1つです。
どちらかの胎児が子宮内に吸収され、消えてしまうことを言います。
これは双胎一児死亡とも呼ばれています。
原因は、片方の胎児に染色体異常等の何かしらの問題があり、もう片方の胎児の妊娠を維持するためだと言われています。
予防法はありません。

妊娠高血圧症候群

いかがでしたか?
双子を妊娠して大変だと感じることが多いかもしれません。
ですが、出産していない時期は貴重な期間ですから、リラックスして過ごしてくださいね。

妊娠20週~分娩後12週の間に、主に血圧が上昇することです。
以前は、「妊娠中毒症」と呼ばれていました。
急激な体重増加も血圧が上がりやすくなるので、妊娠高血圧症候群になりやすい状態になります。
塩分量が多く、カロリーが高い食事はなるべく控えるようにしましょう。

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