妊娠していないのに母乳が出る原因
同じようなホルモンバランスの変化が起これば、出産後でなくても母乳が出ることがあります。
しかもこの母乳は妊娠したときにでる母乳と成分的には同じものだと言われています。
プロラクチンは男性や妊娠していない女性にも分泌されているもので、男女の生殖機能に欠かせない役割を持っています。
通常、母乳は妊娠・出産のホルモンバランスの変化や、赤ちゃんがおっぱいを吸うことによって分泌されます。
具体的には、まず血中のプロラクチンというホルモンが増加します。
その後、出産により女性ホルモンであるエストロゲンの値が下がることで母乳が分泌されます。
母乳分泌の仕組み
原発性甲状腺機能低下症
まれなケースですが、深刻な病気が原因になっていることもあります。
下垂体腺腫という脳腫瘍の影響で高プロラクチン血症になるケースです。
悪性のがんではありませんが、脳に出来る腫瘍なので、良性でも突然意識を失う危険がある病気です。
脳腫瘍
妊娠していないのに母乳が出る場合の50%〜70%に高プロラクチン血症が関係しているといわれています。
高プロラクチン血症は何らかの原因でプロラクチンが増えた状態です。
母乳の分泌以外の症状には、月経不順と不妊が見られることがあります。
高プロラクチン血症
薬の副作用
胸部の創傷や乳がんなどの脊椎神経への慢性的な刺激が、乳汁分泌の原因になっていることもあります。
乳がんや帯状疱疹などによる脊椎神経への刺激
甲状腺機能低下症によって高プロラクチン血症が起こることがあります。
このため、妊娠していないのに母乳が見られた時は甲状腺の検査も同時に行われることがあります。
一部の胃薬、吐き気止め、経口避妊薬、抗うつ剤にプロラクチンを高くする副作用があります。
この場合、男性でも乳汁が分泌されることがありということで驚きです。
かかりつけの婦人科に行って、服用中の薬をチェックしてもらいましょう。
ストレスや疲労
乳頭を刺激し続けると、人によっては母乳の合成が行われ始めます。
特に過去に妊娠を経験している人に多いようです。
断乳後、年単位で間隔が空いていても、乳首に刺激が加わると染み出てくる場合があります。
乳頭の刺激によるもの
精神的なもの
ストレスや疲労、スポーツのしすぎなどによって、ホルモンバランスが崩れ、高プロラクチン血症を引き起こす場合もあります。
知り合いの産んだ赤ちゃんを見たら母乳がでたなど、刺激がない場合でも母乳がでることがあるようです。
これについてはまだ研究がほとんど行われていないので医師も原因が断定できません。
高プロラクチン血症の治療
高プロラクチン血症は放置しておくと排卵障害が起き、妊娠しにくくなります。不妊に悩む女性が婦人科で検査を受けたら高プロラクチン血症が見つかったという例もあります。
生理不順が続く場合や、妊娠していないときに母乳が出た時は病気の可能性もあるので、一度病院で診てもらってくださいね。
まとめ
高プロラクチン血症であるかどうかは婦人科で血液検査を受けて調べます。
プロラクチンの血中濃度が約15mg/ml以下なら正常で、それ異常の数値ならば高プロラクチン血症と診断されます。
薬を服用することでプロラクチン血中濃度は下がります。