分娩開始前
お産の進行状況を確かめるために、検診の際には内診を行います。
本格的な陣痛や分娩が始まる前から、少しずつ子宮口が変化し始めるので、その硬さによってある程度の分娩の時期を予測出来るのです。
子宮口が柔らかいか硬いかで分娩の進み具合わかる?
子宮口とは子宮の出口のことで、お産の時には開いてきて赤ちゃんが生まれる通り道になります。
妊娠中にはまだ成長途中の赤ちゃんが生まれてきてしまわないように硬く閉じていますが、分娩時には赤ちゃんが生まれて来やすいように柔らかくなり大きく開きます。
子宮口は妊娠・出産でどう変わるの?
おなかの中の赤ちゃんが出てくる頃には、子宮口はマシュマロほどの柔らかさになって、子宮口も8〜10くらいまで開きます。いわゆる「子宮口が全開」の状態です。
この頃になると、陣痛の起こる時間も短くなり、2〜3分間隔です。
娩出時
子宮口は少し柔らかい口唇くらいの硬さになり、0〜3cm程度まで開いています。
この時期には陣痛が5〜10分間隔で起こるようになり、出産が近いことがわかります。
分娩開始
子宮口は鼻翼(鼻の両脇の膨らみ部分)くらいの硬さで、まだ閉じた状態です。
分娩を促すホルモンの影響や、陣痛による子宮の収縮などによって少しつづ柔らかくなっていきます。
しかし、それより早い段階で子宮口が柔らかいと、妊娠を維持することができなくて早産になってしまう可能性もあり、予防のために安静にしておく必要があります。
ママの体や赤ちゃんの状態次第では、入院しての経過観察となることもあります。
妊娠37週を過ぎると、いつお産が始まっても大丈夫と言われる「生産期」なので子宮口が柔らかくなてきていても心配はいりません。
臨月じゃないのに子宮口が柔らかいと言われた
しかし、子宮口が柔らかい・硬いというのは数値などで客観的に計測するものではなく、あくまでも診察する医師の主観によるものです。
また、子宮口の柔らかさだけでなく、開き具合、胎児の頭の位置、妊娠週数など、複合的な条件を考慮してお産の進行状況を判断していると考えられます。
また、妊娠中期頃に子宮呼応が柔らかくなっていると流産や早産の危険性がある「子宮頸管無力症」の可能性もあり、医師と相談しながら今後どのように過ごしていくのか、治療が必要かなどを決めていく必要があります。
予定日が近づいているのに、「子宮口が硬い」と言われると、まだ生まれないのかな?難産になるのかな?と不安になりますよね。
しかし、子宮口が柔らかくなる時期は個人差が大きく、お産の数週間前から柔らかくなりはじめうr人もいれば、陣痛が始まってから一気に柔らかくなる人もいます。
しかし、予定日を超過すると胎盤機能が低下してきても子宮口が硬いままだと、胎児に悪影響を与える可能性もあるので注意が必要です。
子宮口が硬いと難産なの?
また、体質的に子宮口が開きにくい「軟産道強靭」の場合には、経膣分娩ではなく、帝王切開に切り替えての出産となることもあります。
陣痛やおしるしなど、お産につながる徴候が見られない場合には、投薬や卵膜剥離などの処置をすることもありますが。
しかし、処置を行ったからといって必ず子宮口が柔らかくなるわけではなく、難産になってしまう可能性も考えられます。
子宮口って柔らかく出来るの?
子宮口が硬いと言われた時に、スクワットや階段の登り降りなどの運動をすすめられる事も多いようです。
しかし、こういった運動には陣痛を促す効果はありますが、直接的に子宮口を柔らかくするものかどうかはわかっていません。
また、体を温めて血行をよくするのがいいと言われたり、軽いストレッチやヨガがいいと言われたりしますが、どれも医学的な根拠はありません。
子宮口がどうして柔らかくなるのが、何が作用しているのかなどは実はまだはっきりとは解明されていないので、「子宮口を柔らかくするにはコレ!」という物がないのが現状です。
しかし、運動やストレッチなどはお産に前向きに取り組むためにも、出産・育児に対する体づくりのためにもいいものなので、続けてみるのがオススメです。