先天性風疹症候群の症状
先天性風疹症候群はあくまで病気・障がいの総称です。
先天性風疹症候群をまとめて治療するような方法はないので、引き起こされた障がいに対して一つずつ対応する対処療法しかありません。
しかし、この病気は正しい知識をもって予防すれば防ぐことができるものです。
厚生労働省はガイドライン「風しんに関する特定感染症予防指針」を策定し、風疹および先天性風疹症候群の撲滅に取り組んでいます。
先天性風疹症候群の治療法
先天性風疹症候群(CRS)は、風疹に免疫のない女性(妊娠初期)が風疹にかかってしまい、お腹の中の赤ちゃんにまでウイルスが感染してしまったことで起きる障がいの総称です。
引き起こされる障がいは、先天性心疾患、難聴、白内障などがあります。
風疹といえば子どもの病気とおもわれがちですが、近年では大人も注意が必要と言われています。
先天性風疹症候群とは
白内障
難聴については個人差があり、右耳だけが難聴になる子もいれば、両耳が難聴になる子もいます。難聴レベルも軽度から重度まであり、発症時期も異なります。
出産直後に正常でも2歳から3歳までの間に発症することもあり、注意深く観察していく必要があります。
難聴
妊娠初期3ヶ月以内に妊婦さんが風疹にかかった場合に起きやすく、赤ちゃんの心臓に心奇形があらわれます。
先天性心疾患のなかでも「動脈管開存症」という病気になることが多いようです。
動脈管開存症は、閉じるはずの動脈管が閉じず、心臓や肺に負担をかけてしまう病気です。
先天性心疾患
先天性風疹症候群の予防
これまでにお伝えしたように、先天性風疹症候群はさまざまな障がいを併発するため、どうしても身体の発達が遅れてしまいます。
それに加えて、脳に障がいを負うこともあるため、先進の発達も遅れる可能性があります。
精神や身体の発達の遅れ
白内障は黒目が白く濁ってしまい、目が見えにくくなってしまう病気です。
妊娠初期3ヶ月以内に妊婦さんが風疹にかかった場合に起きやすい障がいです。
早い段階で手術をしなければ、弱視がひどくなって治らなくなる可能性があるため、重度の白内障の場合は、生後6週から10週で手術をする必要があるといわれています。
まずはママに風疹に対する免疫があるかどうかを調べましょう。
「子どもの頃にかかったきがする」「きっと風疹ワクチンを接種しているはず!」という思い込みで、じつは抗体がなかったというケースも多くあります。
念のため抗体検査を受けておくことをおすすめします。
抗体検査は保健所などで受けることができます。
抗体検査
先天性風疹症候群はこわい病気ですが、妊娠前の段階で予防することはできます。
ご自身やご家族で妊娠を考えている方は正しい知識を得て、しっかり予防しておきましょう。
風疹への抗体がない場合は、医師に相談の上、ワクチンを打つことを検討しましょう。
既に抗体がある状態でワクチンを打っても特に問題はないと言われているので、抗体検査を行わずワクチンを接種する方もいます。
一般的に風疹の予防接種は、はしか(麻しん)も一緒に予防できる「麻しん風疹混合ワクチン」を打つことが多いようです。
妊娠中はワクチンを打つことができないので、必ず妊娠前にワクチン接種をおこなってくださいね。
予防接種
周囲の人も予防接種
すでに妊娠をしてワクチンを打てない方もいるので、周囲の人の予防接種も必要だと言われています。