2016.10.12 Wed 更新

子宮後屈は不妊の原因になるの?症状・原因・治療法

子宮後屈という言葉を知っていますか? 婦人科検診で子宮後屈と言われ、「病気なの?」「不妊の原因になるのでは?」と不安に感じる方は多くいます。今回は子宮後屈の原因や妊娠に与える影響について詳しくご紹介します。

多くは先天性の体質で特に問題はないものです。
しかし、骨盤内の炎症や子宮内膜症などが原因となって起こる場合もあります。
また、子宮の後ろには直腸や骨盤腹膜があり、これらと癒着すると子宮が背中側に引っ張られ、子宮後屈の状態になっていることもあります。

子宮後屈の原因

体質の一つで病気ではないので安心してください。
女性の1〜2割が子宮後屈に当てはまるといわれています。
5人に1人と考えると全く珍しい状態ではないですね。

「子宮後屈」は子宮の状態を表す言葉です。
子宮は通常、お腹側に傾いた状態(子宮前屈)をしており、背中側に傾いている、あるいは曲がっている状態を子宮後屈と言います。
子宮後屈は古くは病気の一つと考えられ、手術が行われていた時代もありましたが、現代では痛みなどがなければ治療の対象とは考えられていません。

子宮後屈とは

子宮内膜症などの病気が原因で子宮後屈になっている場合は、不妊につながりやすいといわれています。
病気による子宮後屈の場合は、原因となっている病気をしっかり治療しましょう。

子宮後屈が妊娠に与える影響

後屈が強い場合は骨盤内周囲の血管を圧迫して血流が悪くなり、腰痛を起こすこともあります。
便秘症で排便痛や性交痛を生じることもあります。
症状を感じる場合は早めに婦人科を受診して検査を受けましょう。

子宮後屈の女性は子宮前屈の女性よりも生理痛や腹痛が起こりやすいといわれています。
しかしこの痛みは、子宮後屈そのものによって起こるのではなく、子宮後屈の原因となった骨盤内の炎症や子宮内膜症によるものがほとんどです。

子宮後屈の症状

婦人科を受診すると内診と超音波検査(エコー検査)によって容易に調べることができます。

子宮後屈の検査法

先天的な子宮後屈に関しては、妊娠しにくくなるという説と、関係がないという説の両方があります。
実際に子宮後屈でも妊娠・出産している方はたくさんいます。
不安に思われる方は医師に子宮の状態を診てもらい、アドバイスを受けましょう。

内診では、医師が直接膣の中を触診し、子宮の向き、大きさ、形などを確認します。
子宮を動かすことで癒着や子宮に感じる痛み等も分かります。
膣に指を入れることが難しい場合は、直腸診といって肛門に指を入れて行います。

子宮後屈の治療法

超音波検査は腹部にあてて検査するものと、膣内に発振器を入れて検査する経膣エコーがあります。
経膣エコーの発振器は指よりも少し太めですが、経膣分娩の経験のある方は痛みを感じることはないといわれています。
性交渉経験の無い方などは、腹部からの経腹エコーを行います。

先天的のもので無症状であれば特に治療の必要はないといわれています。
全く症状がなく、検診で「子宮後屈ですね」といわれただけであれば何も心配する必要はありません。

病気ではなく機能的になんの問題もなくても腰痛や生理痛がひどく出るという場合は、整体などで骨盤を調整することで症状が緩和されることがあります。
また、子宮後屈は妊娠・出産によって子宮が大きくなることで自然に戻る可能性もあります。

他の病気が原因で子宮後屈になっている場合は痛みを感じることが多いため、癒着を外して子宮を元の位置に戻すための外科手術をする場合もあります。
根本となっている病気を治すために早めに婦人科を受診してください。

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