2016.10.28 Fri 更新

赤ちゃんの水頭症は早期発見が重要!症状・原因・治療法

水頭症という病気を知っていますか?成人でも発症する病気ですが、小さいお子さんに多く見られる病気です。早期発見が重要なこの病気について、今回は症状、原因、治療法などをご紹介します。

赤ちゃんの水頭症の原因

新生児や胎児に多い病気ですか、大人がかかることもあります。

私達の頭の中にある髄液は無色透明の液体で、本来は衝撃を吸収して脳への衝撃をやわらげるクッションのような役割を持っています。
髄液は髄液を貯蔵する部屋である脳室に存在する脈絡叢という部分でつくられています。
つくられた髄液は、脳内を巡回した後に静脈に吸収されて一定量に保たれていますが、なんらかの原因でこの循環が上手く行かなくなると頭蓋内に留まり水頭症になります。

水頭症とは、髄液が頭の内側で過剰に留まる病気です。

赤ちゃんの水頭症とは

水頭症の症状

これは男の子のみが発症する水頭症で、母親の遺伝子の中に水頭症になりうる原因があります。
母親が原因になる遺伝子をもっている場合は約50%の確率で発症します。

生まれたばかりの赤ちゃんの場合、多くは先天性水頭症です。
先天性水頭症の一部には遺伝性の明らかなものがあり、その場合は「X染色体劣性遺伝性水頭症」の頻度が高いそうです。

水頭症には先天的なものと後天的なものがあります。
先天的な水頭症は、胎児のときに神経の発達過程で障害が生じて起こります。
後天的な水頭症は、脳腫瘍や髄膜炎など、脳に関わる病気によって生じることがあります。

頭が大きくなることで首のすわりが遅れやすくなります。
生後3〜4ヶ月検診で首すわりの指摘を受けていたり、その後も赤ちゃんの首がしっかりしないという場合は、病院で検査を受けてみましょう。

首がなかなかすわらない

赤ちゃんの水頭症の主な症状として代表的なものが、頭蓋骨の拡大です。
赤ちゃんの頭蓋骨はまだ固まっていないのでとても柔らかいものです。
そのため、赤ちゃんの頃に水頭症になると、脳の中に溜まった髄液によって頭蓋骨がどんどん広がっていきます。
頭頂部の大泉門が膨らんだり、硬くなることもあります。

頭囲が大きくなる・ 大泉門が膨らむ・硬くなる

黒目の下半分が下まぶたにかかり白目が目立つ(落日現象)

頭が大きくなるので皮膚が薄くなって光沢があるように見えます。
また、血管が圧迫されて静脈が膨らみ、うっ血しているように浮き上がって見えることがあります。

頭部の皮膚が薄くなり血管が目立ち、皮膚が光って見える

水頭症になると眼球が上を向けなくなってしまうので、黒目が下まぶたの中へ入り込んで見えます。

水頭症の赤ちゃんは、常にぼーっとして眠たそうにしていることが多いそうです。
それなのに周囲の刺激に対して敏感で、急に不機嫌になるということも見られます。
症状が重くなるとミルクの飲みが悪くなったり、全然飲んでないのに吐き出してしまうこともあります。

機嫌が悪くなる・嘔吐

赤ちゃんの水頭症の検査方法

水頭症が疑われる場合は、CTやMRIで脳の状態を見て、髄液が脳にどれだけ圧をかけているか、髄液がどれほどのスペースを占めているかなどを詳しく調べます。
胎児の場合は、エコー検査によって先天的な水頭症がわかることもあります。

現在、水頭症に対して効果的な内科的治療は無く、手術によって治療します。
「シャント」という管を脳からお腹へ通して、頭の中に留まっている髄液をお腹へ流して吸収させます。
水頭症を引き起こした脳の疾患などがあれば、その治療も行われます。

赤ちゃんの水頭症の治療法

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