2016.10.25 Tue 更新

吸引分娩とは?赤ちゃん、母体へのリスクはあるの?

妊娠していると不安なことが山ほどでてきます。今は順調でも出産時に何かあるのではないかと心配されるママもいるでしょう。 今回は分娩時に取られる措置のひとつ「吸引分娩」についてまとめてみました。 吸引分娩とはなんなのか、どういった条件で必要とされるのか、事前に調べて不安を少しでも減らしておきましょう。

吸引分娩が必要になる時の状況、条件とは?

似たような介助の方法として、「鉗子分娩」がありますが、こちらは大きなスプーンのようなもので赤ちゃんを引き出す方法です。
鉗子分娩よりも吸引分娩の方が、赤ちゃんに対するリスクが低いことや、簡単であるなどのメリットがあります。

この方法が取られるのは、赤ちゃんもしくは母体であるママがこのままでは危険だと医師が判断した場合に限られ、吸引分娩が必要な条件を整えてから行われます。

吸引分娩とは、お産の時に赤ちゃんがなんらかの理由で、なかなか出てきてこられない場合に、赤ちゃんの頭にシリコン、または金属製のカップをつけて吸引圧をかけて引っ張る、分娩時の介助のひとつの方法です。

吸引分娩とは?

吸引分娩でどのような影響がでる?

このような場合において、吸引分娩が実施されます。
吸引分娩を行っても必ずしもすぐに出産できるとは限りません。
吸引分娩でもなかなか進まない場合は鉗子分娩になることもありますし、母体や胎児の健康に危険だと医師が判断すれば帝王切開になることもあります。

・子宮口が全開、もしくはそれに近い状態になっている
・赤ちゃんの頭が見えるくらい下りてきている
・破水している
・児頭骨盤内不均衡がない
・すぐに帝王切開に切り替えられる状況にある
・赤ちゃんが回旋異常で下りてこられない
・赤ちゃんの心拍が低下してきている
・母体が健康上いきむことができない
・微弱陣痛などでお産が進まない、途中で止まってしまった場合

吸引分娩の条件/状況

分娩時は、普段なら指二本ほどしか入らない産道が、赤ちゃんの頭に合わせて10cm程まで開きます。
しかし、この産道が開ききらない、もしくは開いているのに赤ちゃんがなかなか下りてこないといった状況になることがあります。
このままだと胎児や母体に悪影響が出ると医師が判断した時、吸引分娩のサポートが必要になってきます。
吸引分娩を行うにはいくつか条件があります。

吸引カップによって頭を引っ張られるような形になるため、カップがあたっていた部分の頭皮に傷ができることがあります。
頭や顔が若干縦長に伸びたような形になったり、血が溜まって血腫ができる可能性もあります。

赤ちゃんへの影響

吸引分娩は、赤ちゃんを強引に引き出す方法なので、まれに赤ちゃんやママに影響が出る場合があります。

生まれてすぐは頭皮の皮がむけたような傷で出血することもありますし、頭の形が変わって不安に思うママもいるかもしれませんが、これらはほとんどの場合、日にちが経つと正常になっていくのであまり心配はいらないでしょう。

会陰や膣壁、尿道膀胱に裂傷ができることがあります。
裂傷を避けるために、医師が吸引分娩時に会陰切開することもあります。

母体への影響

まれに頭蓋骨内出血を起こすこともありますが、吸引分娩の技術自体も進歩しているため、障害や後遺症といった可能性はかなり低くなってきています。

裂傷や会陰切開と聞くと心配になるママもいると思いますが、吸引を用いない正常分娩でも会陰切開や裂傷の可能性はあります。

分娩中は裂傷や切開の痛みを感じることは少ないですが、数日後歩いたり座ったりする時に痛みや腫れを感じることがあります。
ほとんどは退院までには回復するようです。

そこまで心配しなくても大丈夫!

吸引分娩と聞くと赤ちゃんの頭の形がおかしくなる、傷ができるなどで心配されるママも多いでしょう。
異常分娩と言われることもありますが、吸引分娩は分娩方法の一つとしてよく使われている方法で、誰にでも可能性があります。

医師もそのために吸引分娩を措置の一つとしてとっているのです。
吸引分娩は保険も適用されるため、費用の不安も少ないと思います。
万が一の時を考え、保険も調べておくことで心配も解消できればいいですね。

ですが、そこまで不安にならずとも赤ちゃんの頭の形や傷なども、ほとんどは退院時には癒えてきます。
まずは赤ちゃんと母体の健康が一番です。

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