2016.11.22 Tue 更新

バニシングツインって何?妊娠への影響・発生率・起こる時期など

バニシングツインという現象を知っていますか? 双胎妊娠の場合にのみ見られる現象なので、あまり耳慣れない言葉だと思います。今回は、バニシングツインの概要、原因、確率などについて詳しくご紹介します。

バニシングツインの発生率について正確な統計はありませんが、双胎妊娠のうち1割程度だといわれています。
単胎妊娠で自然流産する確率が約15%といわれているので、およそ同じくらいの確率でバニシングツインも起こると考えられています。

バニシングツインの発生確率

双胎妊娠がなんの問題もなく継続されれば双子のまま出産となりますが、妊娠初期にどちらか一方の赤ちゃんが消えてなくなってしまうことがあります。
この現象を「バニシングツイン」といい、医学的には「双胎一児死亡」といいます。
初期流産のようなもので、流産してしまった方の胎児は子宮内で吸収されて消えてしまうのです。

バニシングツインは双胎妊娠の場合にのみ起こる現象です。
双胎妊娠とは、同時に二人の赤ちゃんがお腹の中に入っている状態、つまり双子のことです。
妊娠初期の妊婦健診の際、胎嚢が二つ確認されるか、1つの胎嚢の中に二つの胎芽がある状態が確認されると双胎妊娠と判断されます。

バニシングツインとは

バニシングツインの原因ははっきりとはわかっていません。
現時点では、初期流産のように、先天的な染色体の異常などが原因で一方の赤ちゃんが流産し、もう一方の赤ちゃんの妊娠を維持するために、子宮に吸収されることで消失するという考えが有力です。

バニシングツインの原因と予防法

大抵の場合は、心拍数が確認できる妊娠9〜10週までに起こると言われていますが、それ以降の12〜16週頃に起こるケースもあります。
なお、妊娠中期に入ってから双子の一方が死亡すると、バニシングツインが起こらず子宮に残ることがあります。
この場合、もう一方の元気な赤ちゃんが元気であれば経過観察し、出産時に一緒に取り出します。

バニシングツインが起こる時期

妊娠中・出産後ともに発達過程での問題が起こることはほぼないので心配しすぎないようにしてください。
流産した赤ちゃんは子宮に吸収されるので特別な処置も必要ないといわれています。

バニシングツインが起こることで、残った方の赤ちゃんはどうなるのでしょうか?
妊娠初期の段階でバニシングツインが起こったのであれば、残された赤ちゃんや母体に影響を与えることはほとんどないといわれています。

バニシングツインが起こった後はどうなる?

胎児側の原因で起こるものなので残念ながら予防法も見つかっていない状態です。
ママのせいではないので、もし起こっても自分を責めないようにしてくださいね。

しかし、妊娠中期を過ぎてからバニシングツインが起こった場合は、一卵性双胎か二卵性双胎かで影響が異なります。
二卵性双胎であれば異なる胎盤を持っているのでバニシングツインが悪影響を与えることはほとんどありません。

一度双子の妊娠を診断されたのにバニシングツインを告知されたときのショックはかりしれないものがあります。
悲しいことですが、バニシングツインを含む初期流産は誰にでも起こるものです。
いなくなってしまった赤ちゃんの分まで残された赤ちゃんを大事にしてあげてください。

バニシングツインと告知されたら?

一方、一卵性双胎では同じ胎盤を共有しているために、残されたほうの赤ちゃんも死亡したり脳障害を起こしたりする可能性があります。
しかし、残った赤ちゃんのためにできる対応はなく、経過観察するかないのが現状です。

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