しかし、喉頭の上部を覆っている軟骨は、他の部分と比較すると硬くなるのが遅く、妊娠8ヶ月頃までかかるといわれています。
軟骨構造の成長が遅れ未成熟のままの場合、呼吸時に咽頭の閉塞や狭窄を起こし、呼吸困難や喘鳴が引き起こされます。
喉頭軟化症は先天性の病気です。
喉頭には複数の軟骨があり、これらは生まれたばかりの頃は柔らかく、成長に伴い硬い軟骨に変化していきます。
多くの軟骨は妊娠4ヶ月頃までに硬い軟骨になります。
喉頭軟化症の原因
喉頭軟化症(いんとうなんかしょう)は新生児の喉の病気の一つです。
喉を構成している組織の中で、もっとも上にある軟骨が咽頭腔内に落ち込んでしまうことで空気の通り道を狭めてしまうことで、呼吸困難や「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と苦しそうに呼吸する喘鳴(ぜんめい)などの症状を引き起こします。
聞きなれない病名ですが、喉頭軟化症はまれな病気ではなく乳幼児の呼吸困難、喘鳴の半数以上を占めます。
喉頭軟化症とは
気道が狭くなり呼吸困難を起こしてしまう場合もあります。
呼吸困難によりチアノーゼが起こることもあります。
その際にはできるだけ早く小児科や耳鼻咽喉科を受診してください。
呼吸困難
ヒューヒュー、ゼーゼーといった喘鳴が現れます。
泣いたとき、仰向けの状態、動き回ったときなどに音が強くなります。
呼吸音の異常
喉頭軟化症の症状
ミルクや母乳が飲みにくくなり体重の増加が少なくなります。
体重が増えない
ミルクや母乳の飲みが悪くなります。
またミルクや母乳を飲んでいる時に喘鳴が起こることもあります。
哺乳量の減少
これら喉頭軟化症の症状は生後2週間から1ヶ月頃から現れ始め、生後3ヶ月から9ヶ月でピークを迎えます。
成長とともに軟骨も硬くなり喉頭が成長してくると喘鳴も聞こえなくなってくることが多いです。
喉頭軟化症が疑われる場合はファイバースコープなどの内視鏡を利用した検査が行われます。
鼻からファイバースコープを挿入して息を吸った時に喉頭の上部が引き込まれて気道が狭くなってしまうことが確認されると喉頭軟化症と診断されます。
喉頭軟化症の検査法
喉頭軟化症の治療法
またレントゲンなどで喉の奥の状態を確認することもあります。
喉頭軟化症の検査にかかる費用は乳幼児医療費助成制度を利用することで無料になります。
喉頭軟化症はほとんどの場合1歳頃までに自然治癒が期待できます。
基本的には月1回程度の診察で体重の増減に気をつけ、成長の遅れがないように経過観察を行います。
しかし、呼吸困難を起こしたり、チアノーゼが見られたりと、ほかの合併症の症状が見られるような重症の場合は、医療的な処置が必要になる場合があります。
治療法は喉頭レーザー形成手術や気管切開などが挙げられます。
感染症を抑えるためにワクチンの積極摂取などを行う場合もあります。
ただし、いつもと違う症状だと思ったときは、無理に自宅で対処しようとせずに、小児科や救急医療センターを受診してください。
赤ちゃんが喘鳴などで呼吸が苦しそうなときは、気道確保をしてあげましょう。
喉を伸ばして息の通り道ができるようにしてください。
背中にタオルなどを敷いてあげると症状が緩和されます。
哺乳の際に呼吸が悪化する場合は、スプーンで少量ずつ飲ませるなどの工夫をしてあげましょう。