2017.01.24 Tue 更新

体外受精の採卵方法の種類とメリット・デメリットは?

妊娠率を高めるために健康な卵子を採卵することが重要です。 健康な卵子を採卵するためには排卵誘発剤を使用し、排卵を促して採卵するのが一般的です。 今回は「体外受精の採卵方法の種類とメリット・デメリット」についてご紹介します!

メリット

自然排卵が見込めるときに行う方法です。
排卵誘発剤は使用しません。自然周期で排卵を待ちます。

完全自然排卵周期法

採卵方法には、細かく分けるといくつかあり、採卵方法によって採取できる採卵数が異なります。
体外受精の採卵方法の種類とメリット・デメリットは以下の通りです。

体外受精の採卵方法の種類とメリット・デメリット

生理後にクロミフェン製剤を服用して、卵胞の成長を促進します。
自然排卵できるが卵胞の成長が弱く、卵巣の機能が低下している女性向けの採卵方法です。

クロミフェン法

自然周期での排卵を待つので、採卵に時間がかかってしまいます。
また、採取できる卵子は1つなので、受精卵から成長できない可能性が高くあり、卵子がない卵胞を採取してしまう可能性があります。

デメリット

通院回数が少なく済みます。
また、排卵誘発剤を使用しないので身体への負担が少なく、連続周期採卵も可能です。

子宮内膜の肥厚が薄く、不十分である「内膜発育不」全を起こす場合があるので、採取卵は新鮮胚移植をしません。
採取した採取卵全てを凍結し、翌周期以降の内膜状態の良い周期に凍結融解胚移植しないといけません。

デメリット

通院回数が少なく、薬剤での刺激が少なく済みます。薬剤の刺激が少ないため、連続周期採卵が可能です。
若い女性の20人に1人はかかっている正常な排卵が行われない排卵障害の「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」でも使用することができます。

メリット

hMG/rFSH注射

メリット

生理後にhMG/rFSH注射をして排卵を促します。
クロミフェン法が利用できず、多くの採卵数を望む女性向けの採卵方法です。

デメリット

HMG はFSH(卵胞を育てるホルモン)とLH(排卵を促すホルモン)が入っているため、注射の量で発育卵胞数をコントロールすることができます。卵胞成長が遅くても効果があるとされています。

自己注射も可能ですが、注射の日数分だけ通院が必要になります。
卵胞を育てるだけのホルモン製剤のような排卵誘発剤なので、成長が早すぎて、早期排卵してしまう可能性があります。
卵巣内の卵胞が過剰に刺激され、卵巣が膨れ上がることで様々な症状を引き起こしてしまう「卵巣過剰刺激症候群」等の副作用を起こす危険性もあります。

クロミフェン法+hMG/rFSH注射

hMG/rFSH注射を使うため、発育卵胞数をコントロールすることができ、卵胞成長が遅くても効果があるとされています。
hMG/rFSH注射だけでなく、クロミフェン法も行うため、費用が高くなってしまいます。

メリット

クロミフェン法とhMG/rFSH法を組み合わせた採卵方法で、クロミフェン法とhMG/rFSH法よりも多くの採卵数を望む人に行われます。

自己注射も可能ですが、注射の日数分だけ通院が必要になります。
卵胞を育てるだけのホルモン製剤のような排卵誘発剤なので、成長が早すぎて、早期排卵してしまう可能性があります。
卵巣内の卵胞が過剰に刺激され、卵巣が膨れ上がることで様々な症状を引き起こしてしまう「卵巣過剰刺激症候群」等の副作用を起こす危険性もあります。
また、採取した採取卵全てを凍結し、翌周期以降の内膜状態の良い周期に凍結融解胚移植しないといけません。
クロミフェン法とhMG/rFSH注射のデメリットがそのままクロミフェン法+hMG/rFSH注射のデメリットになりますね。

デメリット

ロング法/ウルトラロング法

長期間にわたってホルモン剤を投与する必要がある方法です。
薬の量も使用期間も長くなってしまうのですが、採卵日をコントロールしやすくなるとされています。
使用する薬の量が多く、使用期間も長くなってしまうので年齢が若く、確実に多くの卵子を採卵したいという人に向いているとされています。

メリット

長期間にわたって行われるので、採卵日のスケジュールをコントロールしやすいです。
コントロールしやすいため、卵胞が成熟しても自然に排卵する可能性がほとんどありませんし、複数個の卵胞の発育が均一になります。採卵数が多いと1採卵あたりの妊娠率が高くなるのも嬉しいところですね。

デメリット

薬の使用量が多いため、治療費が高額になってしまいます。
また、薬の使用量刺激が強いので、卵巣が腫れる可能性があります。
排卵を起こさないようにしないと行けないので、前周期には避妊しないといけません。

ショート法

薬の使用期間がロング法に比べて短く済みます。
GnRHアゴニストを使った直後から大量に性腺刺激ホルモンが分泌されるという特徴を活かして、短期間で卵胞を成長させます。

メリット

短期間で卵胞が育ちやすいため、治療期間が短く、薬の使用量も少なくて済みます。

デメリット

黄体化ホルモンが一度に大量に分泌されるので、身体に悪影響を与えてしまう危険性があり、卵胞の質が悪くなる可能性があります。

アンタゴニスト法

採卵日を調整しやすく、排卵を抑えながら卵胞の発育を待つことができます。
また、排卵誘発剤の使用量が少ないので、卵巣が膨れ上がることで様々な症状を引き起こしてしまう「卵巣過剰刺激症候群」になる危険性が低いです。

メリット

卵胞の成熟を一時的にストップさせて、採卵のタイミングに合わせて成長を促す採卵方法です。
ロング法やショート法で効果が出ない人、あるいは卵胞が成熟する前に排卵してしまう体質の人に適応されます。
ロング法やショート法に比べると、アンタゴニスト製剤の費用が高額になってしまうので、注意が必要になります。

採卵のタイミングの問題もあり、通院数が増えます。
卵胞が未成熟になる可能性があり、費用も高額になります。

デメリット

いかがでしたか?
採卵方法によっては採卵数も異なります。医師と夫婦でよく考え、相談するようにしてくださいね。
自分に合った方法を見つけましょう!

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