毎回行う検査
妊婦検診は、毎回同じ検査をするのではなく、時期や健康状態によって行う検査は異なります。
具体的にどのような検査をするのか把握しておくと安心ですね。
妊婦検診の内容は以下の通りです。
妊婦検診の内容
妊婦さんや赤ちゃんの健康状態を定期的に見るための大切なものです。
妊婦検診は、健康状態のチェックだけでなく、不安や悩み事の相談にのる等の精神的なサポートや分娩時期の予想、妊娠中の適切な過ごし方へのアドバイスをします。
妊婦検診とは?
体重測定
外からお腹を触り、赤ちゃんの大きさや、背中や足がどちらを向いているのか、逆子なのか等を外診で診察します。
外診
医師から体調や妊娠経過について質問されます。
妊娠中の体重管理についてアドバイスを受けることもありますよ。
何か心配なことや疑問に思ったことがあれば、問診時に質問しておくようにしてくださいね。
問診
尿検査
妊婦さんの血圧を測定して、正常な範囲内にあるかを調べます。
妊娠20週以降に最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以下だと妊娠高血圧症候群の可能性があるため、注意が必要になります。
血圧測定
妊娠による体重増加がどのように進んでいるかを確かめます。
必要以上に増えていると、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、難産になりやすくなります。
体重1週間に500g、1ヵ月で2kg以上増えて、むくみが出ているときは注意するようにしてくださいね。
尿中に尿たんぱくや尿糖が出ているかを検査します。
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクがあるか調べます。
妊娠4ヶ月以降に毎回行う検査
超音波を使って赤ちゃんの心音を聞く装置である「超音波ドップラー装置」を使って、赤ちゃんの心拍数や健康状態を調べます。
元気な赤ちゃんの心拍数の目安は、妊娠末期で1分間に120~160だとされています。
超音波ドップラー検査
腹囲測定
メジャーでお腹の周囲を測定します。
お腹の周囲を測定することで、妊婦さんの体重増加具合や、赤ちゃんの成長度をチェックします。
浮腫検査
子宮底長測定
妊娠中期以降に毎回行う検査
妊婦さんの体にむくみが出ているか検査します。
むくみがひどいときは、静脈瘤や妊娠高血圧症候群の可能性が考えられるので、注意してくださいね。
必要に応じて行う検査
恥骨の上から子宮の一番上までの長さである子宮底長を測定します。
赤ちゃんの発育が順調に進んでいるか、羊水がどれくらいあるかを調べます。
内診
膣の中に指を入れて、子宮の状態を調べます。
妊娠初期は子宮のサイズや位置を調べますが、出産予定日の近くになると子宮口がどのくらい開いているかを調べます。
超音波検査
超音波断層撮影装置を使って調べます。
胎嚢や胎盤の位置、羊水の量、赤ちゃんの発育状態等、様々なことをみます。
血液検査
血液を通じて血糖やB型肝炎抗原、HIV抗体、風疹ウイルス抗体を調べます。
血液にはトラブルの兆候が現れやすいので、検査をしておけば何かあったときにすぐ対処できますよ。
子宮頸癌検診
妊娠初期に行われる可能性があります。
ヘラやブラシで子宮頸部の粘膜を軽くこすり細胞を採取して、がん細胞や異形成の有無をチェックします。
子宮頸癌は、放置しておくと母体の命が危険になるので、出来るだけ早く発見し、対処することが重要です。
GBSチェック
GBSとは、B群溶血性連鎖球菌という細菌です。
非常に生命力が弱い菌で、普段は腟や直腸、膀胱、肛門の周り等にいます。
害を与えることはほとんどありませんが、出産時に赤ちゃんが産道感染すると、新生児GBS感染症という疾患になる危険性があるので、母体がGBS感染症に感染している場合は赤ちゃんに感染させない対策を取らなければなりません。
胎児心拍数モニタリング(NST)
ストレスがない状態で赤ちゃんが元気かどうかを検査し、出産に耐えられるかを調べる検査です。
分娩監視装置という機械をお腹につけ、胎児の心拍を調べるので「胎児心拍数モニタリング」とも言われます。
クラミジア検査
いかがでしたか?
妊婦健診は、お腹が大きくなると動くのが億劫に思いがちになりますが、妊婦検診は妊婦さんと赤ちゃんを守る大切なものです。
また、妊婦さんと赤ちゃんの健康状態をチェックして、健康トラブルを予防することもできるので、定期的に受けるようにしてくださいね。
クラミジア検査は、膣内に綿棒のようなものを入れて子宮頸管の表皮細胞を取り出します。
必要に応じて妊娠30週までに行われ、クラミジア感染の有無を調べます。