どんな症状が出るの?
小さな切り傷や擦り傷からも感染するので、衛生管理が十分でない発展途上国などでは、出産の際のへその緒の切断面から破傷風菌に感染することも多いようです。
人から人への感染はなく、傷口に土焼きのかけらなどが入ることで、そこから破傷風菌が体内に侵入することで感染します。
なので、よく転ぶ子どもや土をいじる機会の多い方などは注意が必要です。
破傷風は土の中にいる「破傷風菌」が傷口から侵入し、破傷風菌が出す毒素によって神経障害を起こします。
破傷風菌は特別な菌ではなく、土の中であればどこにでも生息していて、誰にでも感染する可能性があります。
破傷風って何?原因は?
第二期
口周りの筋肉のこわばりがあり、歯が噛み合わされた状態になるので、食事がうまく取れなくなります。
その他に、首筋のこわばり・寝汗・歯ぎしりなどの症状が現れることがあります。
第一期
破傷風を発症したときの致死率は約30%と高く、第一期〜第三期までの進行が早いほど致死率が高くなるとされています。
なので、早めに症状を見極めて検査や治療を受けるようにすることが大切です。
破傷風菌に感染したら、3〜21日の潜伏期間の後に症状が現れます。
新生児の場合には7〜14日間の潜伏期間で発症し、哺乳力が低下することが特徴です。
破傷風の症状は少しずつ進行し、その進行度合いから4段階にわけられます。
第四期
首や背中の筋肉にまで硬直が広がり、手足をつっぱった状態で痙攣することがあります。
体が結なりに沿った「反弓緊張」とおいう姿勢を摂るようになったり、呼吸困難になったりするなど、第三期の症状は最も危険性が高いとされています。
第三期
顔の筋肉がこわばって口開きにくくなります。
筋肉が緊張し硬直することで額にしわができ、歯をむき出した様な表情が見られます。
次第に痙攣などの症状は収まりますが、筋肉のこわばりが残ります。
病院を受診し破傷風の診断を受けると、まずは傷口を洗浄して抗菌剤を投与します。
抗菌剤で破傷風菌を減らした後に、抗毒素血清を用いて破傷風菌の出した毒素を中和する治療が行われます。
治療法は?
どうすれば破傷風を予防できる?
対症療法としては抗痙攣剤の投与を行い、呼吸や血圧を管理するために全身管理で経過観察が行われます。
破傷風には有効な治療法が少ないため、予防することが肝心です。
破傷風の予防のためには予防接種を受けるのが一番です。
赤ちゃんの定期接種の一つである「四種混合ワクチン」にはジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオのワクチンが含まれています。
日本小児科学会が推奨している接種スケジュールは、生後3ヶ月~1歳の間に3~8週間の間隔をあけて、3回接種の接種を行う方法です。
さらに、3回目の接種から最低6ヶ月以上の間隔をあけて、生後1歳~1歳半の間に、追加で4回目を接種します。
その後、11〜12歳の間に破傷風とジフテリアの「二種混合ワクチン」を受ける必要があります。
まとめ
破傷風のワクチンはすべて受けると、10年は免疫が続くとされています。
大人の場合には最後の接種から10年以上立っていることも多いので、傷口に土や便がついたときなどはすぐに傷口を洗って病院を受診し、追加のワクチンを打つようにしましょう。
回数が多くスケジュールを組むのも大変ですが、子どもを病気のリスクから守るためにもきちんと受けるようにしましょう。
破傷風は致死率も高く怖い病気ですが、予防接種を適切に受けることで予防することが出来ます。
子どものうちは外で遊ぶ機会も多いですし転びやすいので、注意してあげましょう。