2017.04.03 Mon 更新

神経管閉鎖障害って何?原因と症状、予防法ついてまとめました。

赤ちゃんに起こる先天異常に「神経管閉鎖障害」というものがあります。 神経管閉鎖障害は、症状の度合いによっては赤ちゃんが無事に生まれることができずに流産、死産ということになる場合もある危険な疾患です。 そんな危険な疾患でもある神経管閉鎖障害は、妊娠初期に発生リスクを下げることも可能です。 今回は「神経管閉鎖障害」についてご紹介します!

無脳症

上記に記したように、症状は神経管のどの一部が塞がるかで、障害の現れ方や症状の度合いが異なります。
神経管閉鎖障害の症状は以下の通りです。

神経管閉鎖障害の症状

脳や脊髄等の中枢神経の元になる「神経管」の一部が塞がり、脳や脊髄が正常に機能しなくなる疾患が「神経管閉鎖障害」です。
この神経管閉鎖障害は、妊娠初期の妊娠4〜5週頃に起こるとされています。
赤ちゃんの身体が少しずつ作られる妊娠初期の中でも妊娠4〜5週頃は、神経管が作られる期間です。
この期間に神経管のどの一部が塞がるかで、障害の現れ方や症状の度合いが異なります。

神経管閉鎖障害って何?

下半身の神経が麻痺すると、歩行障害や運動障害、尿・排便障害に尿・排便障害が起こります。
また、軽度かた中程度の知的障害が発症しています。

神経管の下部に閉塞障害が現れた場合、「二分脊椎症」が見られることが多いです。
脊椎の管の中にあるはずの脊髄が外に出てしまって、癒着や損傷することで様々な神経障害が起こります。

二分脊椎症

頭蓋と大脳の欠損以外、内臓には異常がないことがほとんどです。
脳以外の臓器には異常がないことが多いので、胎児期は成長を続けますが、能がない状態で生まれた後に生存することが難しいため、妊娠中に死産になる、もしくは、生後数日で死亡することがほとんどです。

神経管の上部に閉塞障害が現れた場合、「無脳症」が見られることが多いです。
無脳症は、経管から脳が正常に作られず、頭蓋と大脳が欠損した状態になります。
妊娠14週頃に、エコー検査によって診断することができます。

そのため妊娠初期は、細胞の増殖に必要なDNAの合成を促す葉酸が重要なのです。
妊娠初期に葉酸の摂取量が不足するか、葉酸の吸収・代謝を妨げるアルコールを大量に摂取していると、細胞の増殖が滞って神経管閉鎖障害の発症リスクが高まると言われています。

妊娠初期における葉酸不足は、深刻な問題であるため、世界中で妊婦さんの葉酸摂取が推奨されています。
妊娠初期は神経管を元に脳や神経、心臓等の身体にとって重要な器官が作られる時期です。

神経管閉鎖障害は、葉酸の摂取量不足、妊娠期間中の環境、遺伝的要因が原因で起こるとされています。
20~30%は遺伝子異常が関係しているようです。

神経管閉鎖障害の原因

神経管閉鎖障害の予防法

神経管閉鎖障害の治療

全体の20~30%は遺伝子異常が関係していると言われているので、完全に予防することは難しい病気です。
ですが、妊娠初期に葉酸を摂取することで発症リスクを70~80%減らすことができます。
日本では、厚生労働省が妊娠の可能性のある女性には、通常の食事に加え、葉酸サプリメント等を利用して1日に400μg(0.4mg)以上摂取するよう推奨していますね。
厚生労働省は、葉酸の1日当たりの上限摂取量を1,000μg(1mg)と設定しているので、摂り過ぎには注意が必要ですよ。

まとめ

神経管閉鎖障害と診断された場合、外科手術や障害へのサポートが必要になります。
障害の程度によっては、出生後すぐに背中の閉鎖手術をすることもありますし、車いす・補装具等のサポートや導尿や浣腸等の障害に対する対処が必要になります。

いかがでしたか?
神経管閉鎖障害は、遺伝的な要因で起こることもあるので、完全に予防することはできません。
なので、葉酸サプリメント等をしっかり摂取していたにも関わらず、もし赤ちゃんが神経管閉鎖障害を発症してしまっても自分を責めないようにしてくださいね。
神経管閉鎖障害を発症すると、治療やリハビリが必要となり、育てる親にも困難は伴いますが、一緒に治療に励み、お互いを支えあうようにしてくださいね。

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