女性の卵巣機能は年齢とともに落ちていき、卵巣年齢も高くなっていきます。
脳下垂体から分泌されるホルモンの量が減ることで、卵子が成長しにくくなると、
病院では排卵誘発剤の薬を使うことになります。卵巣機能が落ちていると、卵巣がなかなか反応してくれなかったり、
逆に卵巣が過剰に頑張ろうとするとホルモンが乱れてしまいます。
卵胞刺激ホルモン(FSH)の数値が乱れると、卵巣を休ませるために治療がお休みになったり、
注射の量が増えると体にも負担がかかります。少しでも卵巣が元気なうちに不妊の検査を受けて、
適切な治療を受けること大切です。
不妊治療が難しくなる前に
また、一般的に妊娠するならば1歳でも早いほうがいいと言われていますが、それは事実です。
女性は卵子を持って誕生していますので、見た目年齢ではなく実年齢で卵子が劣化してしまいます。
最近では男性も精子が年齢と共に劣化することが判明しましたが、より妊娠しやすくて完璧な
卵子と精子を求めるのならば早く妊娠するのがベストなのです。
妊娠して無事に出産するという当たり前のことも、高齢になればハードルが高くなります。
日本産科婦人科学会の定義では、35歳を過ぎてからの出産のことを「高齢出産」といいます。
35歳を過ぎるとリスクが高まることから、1993年に30歳から35歳に変更されました。
日本人の平均初婚年齢は、2012年データにおいて、夫は30.8歳、妻は29.2歳となっており、
結婚が遅くなるにつれ出産も遅くなっています。女性の社会進出が進み、
仕事をする方が増えていることが背景としてあります。
高齢出産
その1 早寝早起きなどの生活リズムを整えておく
カラダづくりのポイント
年齢が高いと流産や出産のリスクも増加します。
帝王切開やNICU(新生児集中治療室)の設備が整った病院では、トラブルを抱えた妊娠さんや、
帝王切開の確率が高い35歳以上の妊婦さんしか受け付けないところもあります。
また流産の確率が高くなります。
自然に流産する確率は10〜15%といわれていますが、高齢になると、20%と上がります。
ほとんどが染色体異常で元々から繋がる命ではなかったはずの卵と言いますが、悲しみの渦中にいたら、
高齢だからと簡単に割り切って考えることはできませんよね。
高齢出産のリスク
若い時と年齢を重ねてからは、妊娠にむけての体質改善も少し違ってきます。
卵巣機能が正常で、ホルモンの元気がいい状態だと治療で少しアシストすれば卵子は成長しやすく排卵もスムーズです。
35歳から妊娠率が下がるその一番の理由は、卵子の老化やホルモンの減少です。老化した細胞を若返らせることはできませんが、
老化の元といわれる活性酸素を追い出すことで、老化を遅らせることができます。
その2 卵子の老化を遅らせる
本来人間は日の出と共に起床して日の入りと共に就寝している、という時代を過ごしてきました。
眠らない街という具合に24時間お店が開くようになったのはほんの数十年程度。
それ以前ですと夜は暗く、子供は特に寝ている子ばかりという時代でした。
生活リズムが乱れたら自律神経が同時に乱れた、という方も少なくありません。
健康的な生活を送れば体に良いと言われていますので、生活リズムを出来る限り整えておきましょう。
仕事があるなどでいきなり早寝早起きは難しい方もいらっしゃるでしょうが、
それでもなるべくならば早寝早起きを心掛けてみませんか
その3 代謝機能を維持する
脳下垂体から卵胞刺激ホルモンが分泌されると、卵巣からエストロゲンを出して卵子を成長させなさい!と命令が下ります。
そのホルモンが減少すると、卵子の成長が遅くなったり排卵しない卵子が出てきます。
日頃から、エストロゲンが含まれる大豆イソフラボンを摂取したり、
ホルモンを分泌しやすくすることが大事になってきます。
その4 大豆イソフラボン
妊娠しやすい人の体を見ると、体が温かいんです。
よく動いて活動的な印象です。反対に不妊女性の大半が冷え性で運動が嫌いな人が多いんです。
年齢が高くなるにつれ運動をしなくなると代謝機能が落ちてホルモン分泌が促進されなくなります。
リンパの老廃物を押し出す筋肉(ポンプ力)を強化することで、体の老廃物を流れやすくなり血流が良くなると、
下半身の巡りが良くなり子宮環境も改善されます。足腰を鍛えることは子供を作るだけでなく、
産むときのリスクを減らすことにも繋がります。