貧血の原因が鉄分不足と診断された後、最初は食事の指導で改善を試みるのですが、改善されない場合、鉄剤が処方されます。
飲み薬であまり効果がみられない場合は、注射や点滴で鉄剤を投与したり、貧血の種類によっては赤血球を作って増やすための薬を用いることもあります。
鉄剤は、普段の食事では必要な分の鉄分を摂取できないと医師が判断した場合に処方される、「鉄欠乏性貧血」等の鉄分不足によって起こる貧血の治療等に用いられる「鉄分を補給するため」の薬です。
市販されている医薬品の鉄剤もありますが、医師から処方される鉄剤は医療医薬品になるので、使われる鉄剤の方が含有量は多いです。
鉄剤の効果
貧血が酷いから鉄剤を処方されても、妊娠中に服用してもいいのでしょうか?
結果から言うと、大丈夫です。「医師」から処方されたのは、鉄剤を服用した方が良いと判断されたからです。
「赤ちゃんに悪影響がありそう…」と考えないでください。服用しない方が悪影響があると思ってください。
貧血の状態で出産すると、出産時の出血でショック状態になる危険性も高いので、貧血対策はきちんと行っておきましょう。
妊娠中の鉄剤の服用は何か問題があるの?
鉄剤にどうしても頼りたくないときの対処法
吐き気や嘔吐は、服用している鉄剤の種類を変更したら治まることがあります。
あまりにも副作用が強い場合は、医師にきちんと相談し、対処してもらいましょう。
飲み薬で副作用があまりにも酷い場合や、十分に吸収できていないと判断された場合は、注射に変更されることがあります。
注射に変更になった場合は、比較的頻繁に病院に行って打ってもらってくださいね。
鉄剤の副作用として、「便秘」や「嘔吐」が見られることが多いです。
身体が吸収しきれなかった「鉄」が便として排出されるので、便が黒っぽくなり、固くなるので、便秘を起こしがちです。
この便秘の対処法は、水分を大量にとる、もしくは、医師から下剤を処方してもらいます。
鉄剤の副作用
肉や魚等に多く含まれる鉄分が「ヘム鉄」です。
別名「動物性鉄分」とも呼ばれており、吸収率が高いという特徴があります。
ヘム鉄はレバーや赤身の魚等に多く含まれています。
ヘム鉄は吸収率が高いので、積極的に摂取したい食べ物ですが、ヘム鉄を多く含むレバーにはビタミンAが大量に含まれているため、注意しましょう。
ビタミンAは、妊娠中に過剰摂取をすると、奇形を引き起こす危険性が高くなってしまいます。
ヘム鉄
貧血の際に摂取しておきたい「鉄分」には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。
「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の詳細は以下の通りです。
鉄剤をどうしても頼りたくない…という人は、医師に相談して、食べ物を通しての鉄分補給しましょう。
元々、貧血の治療の基本は「食事療法」です。
鉄分が不足しがちな妊娠中は、鉄分を豊富に含んだ食べ物を積極的に摂取するようにしてくださいね。
非ヘム鉄
いかがでしたか?
妊娠中に鉄剤を使用するのは抵抗があるかもしれませんが、上手に付き合えば赤ちゃんには何の影響もありませんよ。
母体と赤ちゃんの健康を第一に考えて、妊娠中の貧血を乗り越えてくださいね。
野菜や穀類や海藻類に多く含まれるる鉄分が「ヘム鉄」です。
別名「植物性鉄分」とも呼ばれており、吸収率が低いという特徴があります。
大豆やほうれん草、小松菜や納豆等に多く含まれています。
タンパク質やビタミンC等の栄養素と一緒に摂取すると吸収率が高まるという特徴があるので、全体の栄養バランスも意識しつつ、積極的に摂取してくださいね。