2016.03.24 Thu 更新

赤ちゃんが大きく育たないかも…子宮内胎児発育不全ってどんなもの?原因や対策まとめ

妊娠が成立すれば後は赤ちゃんはどんどん大きくなっていってくれる…そう思っている方がほとんどかと思いますが、おなかの中の赤ちゃんの発育がなんらかのトラブルによって正常にいかないことがあります。では何が原因で子宮内胎児発育不全が起こるのでしょうか?その原因と対策をまとめましたので、参考にしてみてください。

子宮内胎児発育不全って?

妊娠したら赤ちゃんは自然に大きくなっていくものだと考えている方がほとんどだと思います。
しかし、妊娠中には色々なトラブルが発生することがあり、その1つに「子宮内胎児発育不全」があります。
お腹の赤ちゃんの成長が滞ってしまう病気で、出生後にもなんらかの疾患を発症することもあります。
そこで今回は、子宮内胎児発育不全について、原因や対策方などをまとめました。

胎児側の原因

子宮内胎児発育不全(FGR)の原因として、以下の3つに大きく分類できます。

子宮内胎児発育不全の原因は何?

子宮内胎児発育不全(FGR)とは、なんらかの理由で子宮内の赤ちゃんの発育が遅れている、あるいは停滞している状態をいい、生まれてくる赤ちゃんは高い確率で低出生体重で生まれます。
また、全妊娠の約8~10%で発生するといわれています。
以前は、子宮内胎児発育遅延(IUGR)と呼ばれていましたが、現在では子宮内胎児発育不全が正式名称として使われています。
子宮内胎児発育不全(FGR)の原因は主に、胎児側にある場合と母体側にある場合があります。

母体の原因

胎盤になんらかの障害があって、赤ちゃんに栄養をうまく供給できなくなることが原因となる場合があります。
胎盤梗塞や前置胎盤、臍帯付着異常といったものが引き金になり、妊娠中期以降で発症するといわれています。

胎盤の原因

胎児自身に原因があります。
遺伝子や染色体の異常、風疹などによる胎内感染といったもので引き起こされます。

胎児の体重は超音波計測で推定体重を出すのである程度の誤差はありますが、その誤差を踏まえても体重基準値より低い推定体重値が出た場合に子宮内胎児発育不全を疑います。
胎児自身の発育不全のほかに羊水が少なかったり、胎児の腹囲が小さかったりといった症状も検討した上で、総合的に診断されます。

妊娠30週頃までの超音波検査で、お腹の赤ちゃんに在胎週数に見合った発育が見られない場合に、子宮内胎児発育不全と診断されます。
診断は胎児体重基準値を参考にして調べます。

子宮内胎児発育不全の診断方法は?

ママが妊娠高血圧症候群や多胎妊娠、その他の合併症になっていたり、喫煙をしたりしていると、赤ちゃんへの栄養供給が妨げられる場合があり、それが原因となる場合があります。
胎盤の原因と同様に、妊娠中期以降に発症するといわれています。

子宮内胎児発育不全の自覚症状、赤ちゃんの症状は?

また、赤ちゃんに現れる症状としては、成長が滞るだけではなく、妊娠初期に胎児側の原因で発症した場合は死亡のリスクが高まります。
妊娠中期以降で胎盤や母体が原因になっている場合は死亡リスクは低くなりますが、部分的に成長が滞るので頭は正常な大きさで体だけがやせているといった症状が現れる場合があります。

子宮内胎児発育不全になっても、ママが何かの自覚症状を感じることはありません。
ほとんどの場合、妊婦健診を受けた際に知らされることになります。

子宮内胎児発育不全の対策法は?

たとえば、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症があれば、その治療を優先し、ママは安静に過ごします。
その際、横向きに寝て安静にし、しっかりと赤ちゃんに栄養を供給できるようにすることが大切です。
さらに、食事の指導を受けることにもなります。
食事では高タンパク・高ビタミンのメニューを心がけてください。
赤ちゃんの成長に必要な栄養を確保できていないときには、病院で点滴をしてもらう場合もあります。

胎児側に原因がある場合は、残念ながら、明確な治療法がないのが現状です。
ただ、胎盤や母体に原因がある場合には、その原因を取り除くことで胎児の成長を促すことができます。
たとえば、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症があれば、その治療を優先し、ママは安静に過ごし

ただし、どれだけ安静にして、食生活や生活習慣を見直したとしても胎児の発育が思ったように進まない場合には、早めに出産せざるをえないこともあります。妊娠週数を見て対処できるようであれば、早期出産によるNICU(新生児特定集中治療室)で、直接赤ちゃんの治療を行います。

胎児側に原因があることを除いて、ほとんどの子宮内胎児発育不全は妊婦さんの生活改善で予防することができます。赤ちゃんに栄養を届けるためにはたくさんの血液がスムーズに流れる必要があり、不摂生や不健康な生活習慣が血行を悪くさせ、栄養供給を妨げてしまうことが母体側での原因の一つになります。また、妊娠中に体型が崩れるのを嫌ってダイエットで食事量を制限してしまうことで、赤ちゃんが栄養不足に陥ってしまうこともあります。胎児の成長のためにもしっかり栄養を取り、健康的なマタニティライフを過ごすようにしてしましょう。

生活習慣の改善で子宮内胎児発育不全を予防しよう

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