「後陣痛」という言葉を聞いたことがある方もいるかと思いますが、これは分娩終了後しばらくしてから、数日間陣痛のような痛みが続くものです。
後産は子宮内に残った不要なものを排出するために起こりますが、後陣痛は妊娠中に大きくなった子宮を妊娠前の状態に戻そうとする子宮収縮の働きによるものです。
後産と後陣痛
なので、出産は陣痛が来て赤ちゃんが生まれ、後産で胎盤や臍帯を排出してやっと「お産が終了した」といえるのです。
出産は赤ちゃんを産んだら終わりだと思うかもしれませんがそうではなく、それまで赤ちゃんに血液や栄養を送り続けていた胎盤やへその緒はまだ子宮の中に残っているので、もう不要になった胎盤やへその緒を外に出す必要があるのです。
赤ちゃんが生まれた後に再度陣痛が起こり、子宮内に残っている胎盤や臍帯を排出することを「後産」といいます。
後産って何?
後産に医師の処置は必要?
後産で起こる陣痛は赤ちゃんが生まれる前ほど強くなく、出産の疲労によって感じない人が殆どのようですが、中には少しいきみたくなるような痛みを感じる人もいるようです。
後産は赤ちゃんが生まれて5〜15分後に、再度陣痛が起こって始まります。
陣痛によって子宮収縮が促されると胎盤が剥がれ落ち、臍帯と一緒に排出されるのです。
後産は早ければ15分程度、長くても30分程度で終わります。
胎盤や臍帯が排出された後、会陰切開や裂傷があれば縫合をし、すべての分娩に関する処置は終了します。
後産っていつからいつまで?
授乳でも子宮収縮を促そう
しかし、後産の陣痛が自然に起こらない場合には、子宮収縮促進剤の投与を行ったり、胎盤の排出がうまくいかない時には医師や助産師が臍帯を引っ張ったりして、胎盤や臍帯の排出を促すこともあります。
基本的に後産では子宮が小さくなるに従って、タイ場と子宮壁の間に隙間ができ、少しずつ自然に剥がれ落ちていきます。
子宮壁から剥がれ落ちた胎盤は、胎盤自体の重みで下がっていき、腹圧で臍帯と一緒に押し出されます。
後産や後陣痛は不要になったものを排出したり、妊娠前の状態に子宮を戻したりするために必要な身体の働きです。
子宮が収縮する時には痛みを感じますが、子宮がきちんと収縮すると体力の回復にもつながりますので、痛みは辛いかもしれませんができるだけ子宮の収縮を促してあげるようにしましょうお。
後産や後陣痛のあとに子宮を収縮するために有効なのが「授乳」です。
母乳を作る過程で分泌される「オキシトシン」というホルモンは子宮収縮作用があります。
なので、母乳の生産を促すことで子宮収縮につながりますので、赤ちゃんのためにもママのためにもできるだけ母乳を飲ませてあげてくださいね。