その一方で、熱や発疹がわずかでウイルスに感染したことに気付かないというケースもあります。
また、一度感染すると一生免疫が続くといわれています。
合併症として発疹が消えてから関節炎を発症することがあります。
また回復期に脳炎を引き起こすこともあるため、注意が必要です。
風疹の合併症
痰やくしゃみ、咳、唾液等によって飛沫感染するウイルスで、人から人にしか感染しない感染症です。
春から初夏にかけて流行しやすいと言われています。
風疹は、風疹ウイルスに感染することで発症する感染症です。
首や顔に赤く小さな発疹が出始め、やがて全身に広がり、発熱やリンパ節の腫れ、関節痛などの症状が現れる等のはしかに似た症状が現れます。
ですが、はしかほど重症ではありません。
3日ほどで症状が落ち着くので、「3日はしか」とも呼ばれていますね。
風疹とは?
具体的には以下の様な症状が現れます。
先天性風疹症候群
妊娠中のママが感染すると、お腹の赤ちゃんもウイルスに感染しておこる「先天性風疹症候群」になる可能性があります。
そのリスクは感染した時期によって違いますが、妊娠初期が特に危険だと言われています。
ですが、妊娠中にママが風疹にかかったからといって、必ず赤ちゃんが先天性風疹症候群になるわけではありません。
妊娠18週を過ぎると、赤ちゃんへの感染率は約40%までに減少します。
妊娠した後、風疹に感染した場合、赤ちゃんへの影響は?
先天性風疹症候群の治療法は?
目や耳などの神経系や心臓のような大切な臓器が形成される妊娠初期に、先天性風疹症候群になると目や耳の障害、心臓の奇形などを発症しやすいと言われています。
中でも多く診断されているのは白内障、心奇形、難聴だそうです。
何で妊娠初期が特に危険なの?
<生後一過性に認められるもの>
・血小板減少性紫斑病
・内臓の異常(肝脾腫、肝炎など)
・溶血性貧血
・大泉門膨隆(頭蓋骨のすき間が膨らんでしまう)
<永久障害を残すもの>
・眼球異常(白内障、緑内障、網膜症など)
・難聴
・心奇形
・中枢神経障害(精神発達遅延、脳性麻痺など)
風疹に感染したママに対しては、発熱や発疹などへの対症療法が行われます。
しかし、お腹の赤ちゃんに風疹ウイルスが感染したと判断されても、お腹の中にいるうちにそれを治療する方法はありません。
子供の頃にMR(麻しん風しん混合)ワクチンを受けた
ですので、出生後に風疹ウイルスに感染しているかどうかを確認します。
先天性風疹症候群は根本的な治療法がありません。
白内障や心奇形の手術、難聴のリハビリなど、現れている症状にあわせた対症療法を行います。
昭和54年4月2日〜昭和62年10月1日生まれは要注意!
風疹の予防接種は将来妊娠する女性を対象に中学生になった時に集団で予防接種をしたのが一番最初です。
その後、乳幼児期の男女に摂取することになりました。
現在は、1歳代と小学校入学前年度の2回接種するようになっています。
2回接種するのは、免疫を強め、成人後に感染しないようにするためです。
必ず受けましょうね。
昭和54年4月2日〜昭和62年10月1日生まれは中学生のときに男女とも風疹ワクチンを一度だけ摂取することになっていましたが、集団で摂取するのではなく、医療機関での個別摂取でした。
人ごみを避け、帰宅時は手洗いとうがいを徹底的に!
一番の対策は予防接種です。
病院では妊娠が分かると同時に風疹の抗体検査を行い、風疹にかかる危険性があるかどうかを判断します。
そのときに抗体がないことがわかっても風疹ワクチンをうけることはできません。
なので、風疹ウイルスにかからない対策が必要です。
妊娠初期から妊娠20週まではこの2つを徹底してくださいね!
風疹対策法
つまり、親が医療機関に連れて行かなければ予防接種は受けられないという状況になってしまったのです。
その結果、中学生の風疹ワクチンの接種率はみるみる下がっていきました
だから、昭和54年4月2日から昭和62年10月1日までに生まれた人たちには、風疹の予防接種を受けていない人が多いので注意が必要なのです。
風疹は飛沫感染によって広がります。
妊娠中は感染する可能性が高い人ごみは避けるようにしましょう。
外出しないといけないときはマスクをつけるようにして、帰宅したら手洗いとうがいを徹底してください。
家族にも風疹の予防接種を受けてもらう
家族が職場などで感染してウイルスを持ち帰ってしまうことがあります。
家族には全員に風疹抗体検査を受けてもらいましょう。
そして必要に応じて予防接種を受けてもらいましょう
妊娠中に予防接種を受けてしまった!
風疹の予防をしておこうと予防接種を受けたら妊娠発覚!
なんてことになったら赤ちゃんへの影響が気になりますね。
現在までに妊娠中に予防接種を受けて赤ちゃんに障害が生じた例は世界的に見ても報告はありません。
ただし、赤ちゃんへの影響の可能性が全くないとはいい切れませんので、予防接種後、約2ヶ月間は避妊しておくことをおすすめします。
妊娠中に風疹の症状を自覚した場合は、他の妊婦さんへの感染拡大を避けるためにも直接病院には行かず、まずは電話で病院に連絡してください。
赤ちゃんへの影響は、妊娠週数や予防接種歴、抗体測定歴などにより様々ですから、落ち着いて医師とよく相談して、医師のアドバイスを受けながら対応していきましょう。