2016.04.08 Fri 更新

重症妊娠悪阻って?妊娠中のこの病気の原因と症状、治療法について

妊娠初期から妊婦さんを悩ませることの1つが「悪阻」ですが、その症状が重く何も食べられない、何も飲めない、一日中吐いてばかりのような状態だと「重症妊娠悪阻」が疑われます。最悪の場合お母さんにもおなかの赤ちゃんにも栄養が行き届かずに栄養不足になってしまうこともあります。そこで重症妊娠悪阻の原因と症状、治療法についてまとめてご紹介いたします。

症状の現れかた

つわりの原因は未だはっきりとしたことがわかっていませんが、妊娠によるホルモンバランスや代謝の変化が関係していると考えられており、重症妊娠悪阻の原因も、同じ仕組みだと考えられています。
体が妊娠の状態に慣れてくると、おさまると考えられます。

原因は何なのか

重症妊娠悪爼とは、分かりやすく言うと「つわり」です。
妊娠初期には、ほとんどの妊婦さんが吐き気や嘔吐など、この「つわり」を経験します。
一般的につわり、妊娠5週頃から16週頃の妊娠初期の間に見られる生理現象で、主に吐き気や胃のむかつきなど消化器系の症状として現れます。
そしてこのつわりが悪化し、重症化し、治療が必要になった場合を、重症妊娠悪阻と呼びます。
食事も妊娠初期ではあまり食べられなくて、体重が2〜3kg減ることがありますが、胎児の発育を心配することはありません。
ですが、最悪の場合ですと、意識障害などを引き起こすこともある危険な病気です。

重症妊娠悪爼とは

何度も嘔吐を繰り返す、または食欲がほとんどないといった摂食障害が見られます。
脱水症状による口の渇き、だるさ、便秘などが起こりやすくなり、体重が徐々に減少しはじめます。

<初期>

頭痛、下痢などを伴うこともあります。
症状が強いと、飲食物を少量しかとれなくなりますが、空腹になると余計に症状が強くなり、少しずつ食べ続けて、逆に太ってしまう人も中にはいます。
重症妊娠悪阻の症状は、段階的に変化するので、出来るだけ早めの対処が重要となってきます。

つわりと重症妊娠悪阻を区別する明確な基準はないのですが、症状の重さで、ある程度は区別できます。
つわりの場合は主に、吐き気や嘔吐、倦怠感、眠気などですが、症状は一過性で、治療するまでもなく大体の人は、我慢できる程度で済みます。
しかし、重症妊娠悪阻は、何となく体がだるいという程度から何度も嘔吐を繰り返し、ほとんど食事ができないという状態が1日中続きます。

治療法はあるの?

ここまでくると症状はさらにひどくなり、めまい・幻覚・幻聴などの脳神経症状が現れ、肝臓や腎臓にも機能障害が見られます。
妊娠継続が難しくなり、母体を守るために人工妊娠中絶を行わなければならないケースもあります。
後期の段階まで適切な治療が行われないと、意識障害などを起こし、母体も命の危険にさらされます。

<後期>

初期の症状が悪化し、飢餓状態のせいで体内の脂肪をエネルギーとして分解するので、その残りカスとして体内のケトン体が増加し、尿中にもケトン体が現れます。
その結果、尿蛋白も出て代謝異常による中毒症状なども見られます。

<中期>

重症妊娠悪阻に気付いたらどうすればいいの?

妊娠初期に薬を服用するのは胎児への悪影響が考えられますが、あまりにも症状がひどければ、制吐薬などを服用することもあります。
しかし残念ながら、治療の効果が見られず悪化し続けるようなときは、母体の安全を優先して人工妊娠中絶を行わなければなりません。

勿論のことですが、軽度のつわり程度なら治療は不要です。
重症妊娠悪阻の治療は、基本的に安静にして、ストレスを減らし、症状がおさまるのを待ちます。
軽症の妊娠悪阻は食事療法で対処することもできますが、吐き気や嘔吐が強く、水分摂取が不十分なら、ブドウ糖の輸液を点滴して、水分と少しの糖分を補給します。

重症妊娠悪阻は母体や胎児を危険な状態にする病気のひとつです。
重症妊娠悪阻を起こしたときは一刻を争うので、できるだけ早く適切な治療を受けるようにしてください。

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