もしこの恐ろしいジカ熱に妊婦さんが感染すると胎児へも移り、流産や死産の原因になります。
また、先天的に頭蓋骨と脳の小さい小頭症の障害を持って生まれたりする可能性も言われていますので、非常に危険です。
小頭症の定義は、後頭前頭を結ぶ周囲径(頭囲)が年齢や性別を合わせた標準値の3%より小さいなど明らかな数値で診断できます。
同じ性別の小児と比較して頭の大きさが小さく、頭蓋骨の成長が不十分である状態です。主な症状としましては、頭蓋骨が小さい、額の位置が後ろにある、低身長、知能発達のおくれ等が報告されています。また小頭症はこれといった根本的な治療法がなく、症状に対する対症療法となります。通常は一週間弱の症状を経て落ち着くみたいです。あまり自覚症状がないというのが、ちょっと怖いところではありますので、もしかして、と思うような症状がありましたら、すぐに医師に診てもらいましょう。
胎児への影響など
ジカ熱、正式にはジカウイルスによる感染症。
蚊が媒介し、この蚊に刺された人が発症した場合、ジカウイルス病、また、発症すると発熱することがあるため、ジカ熱と呼ぶこともあります。元々、2007年ミクロネシア連邦のヤップ島で流行し、2013年に、フランス領ポリネシアで約1万人の感染が報告されました。
それ以降、中央及び南アメリカ大陸、カリブ海地域ではブラジル、コロンビア等20の国や地域から症例が報告されています。最近では、日本でも発症した例が記憶に新しいですね。発症すると、発熱することがあるのでジカ熱と呼ばれるようになりました。
感染してもおよそ8割の人が自覚症状のない、不顕性感染(感染しても、症状を示さずに健康に見える場合)であるとされていますが、症状が出る場合は発熱、発疹、結膜充血、関節痛などの症状が、見られます。最悪の場合、死に至ることもあり、非常に注意が
必要になります。特に基礎疾患などがある方は、特に注意が必要です。
ジカウイルスを媒介する蚊として現在確認されているのは、ネッタイシマカとヒトスジシマカで、ヒトスジシマカは秋田及び岩手県南に生息していますが、国内での感染例はまだ見つかっていないです。過去に発生が確認されている地域は、アフリカ、中央・南アメリカ、アジア太平洋地域と低緯度の地域を中心に広い範囲になります。
ジカ熱とは
ちなみに、妊娠中感染者の胎児が先天的な障害を持って生まれる場合を、先天性ジカウイルス感染症と呼びます。
ジカ熱の予防策
先述しましたように、まず発熱です。しかし、38℃を超えるような高熱はそんなにありあせん。関節症は50%以上の症例が認められていて、結膜充血、筋肉痛・頭痛等が45%となっています。
その他には下痢や腹痛、嘔吐などもきたす場合もあるようです。デング熱の症状と似ているのですが、デング熱よりは軽い症状になります。
ジカ熱の潜伏期間は3日〜12日で、発症すると通常症状は4〜7日程続きます。しかし10人中8人は発症せずに過ぎてしまうこともあるそうです。
ジカ熱の症状・潜伏期間
予防策としては、日中に蚊に刺されないように工夫することが大事です。もし刺されてしまった場合も、解熱鎮痛剤を投与し様子を見るのがほとんどです。
また妊娠中に海外に行く機会がある場合は、渡航先の気候や蚊がいないか、事前に調べておくことが重要です。
出来れば妊娠中の期間は、渡航は控え安静に過ごすことをオススメします。