事前に検査で自然分娩に適さないと判明した段階で、分娩のリスクを回避するために予定を立てて帝王切開の選択をすることです。赤ちゃんの成長が十分な妊娠37~38週頃に手術の予定が組まれます。
予定帝王切開
帝王切開は「予定帝王切開」と「緊急帝王切開」の2つに分けられます。
帝王切開の種類
帝王切開は、出産全体の約2割の方が経験し、母子ともに安全に出産が終えられるメリットがあります。今回は帝王切開手術について詳しく調べてみました。
~緊急帝王切開が考えられるケース~
・妊娠中や分娩中に赤ちゃんの心音が弱まる
・胎盤からの出血
・妊娠高血圧症候群
・微弱陣痛で母体の体力が持たない
自然分娩を予定していたものの、何らかの理由でママや赤ちゃんに危険が及ぶと判断され急遽、帝王切開の選択をすることです。
緊急帝王切開
~予定帝王切開が考えられるケース~
・多胎(双子以上の妊娠)
・逆子など胎位のトラブル
・巨大児(4000gを超えた場合)
・前置胎盤(胎盤が子宮の出口を塞いでいる状態)
・ママが以前に帝王切開や子宮の手術を経験している場合
・高齢出産
4.切開
横に切る方法と縦に切る方法があります。どちらになるかは施設の方針や赤ちゃんの状況、緊急度によって選択されます。
3.麻酔
麻酔の種類によって分かれます。
●全身麻酔
一刻を争う緊急の場合は全身麻酔になることもあります。点滴からいれる麻酔で、すぐに麻酔がかかります。眠った状態で赤ちゃんが生まれる場合もあり、残念ながら産声を聞くことはできません。
●腰椎麻酔・硬膜外麻酔
背中の脊椎から麻酔をいれ、胸の下から足まで麻酔をかけます。腰椎麻酔は即効性がありますが、持続時間が短めです。硬膜外麻酔は持続性があり、長時間の手術も可能です。ママの意識はあり、赤ちゃんの産声も聞けます。
2.手術開始
当日は朝から絶食です。事前に麻酔を効きやすくするためにと、緊張を和らげるための駐車をします。名前の確認、血液検査の結果など、入室規準を確認後、手術着に着替えてストレッチャーで手術室に移動します。
1.入院
予定帝王切開の多くは前日に入院し、検査や手術の説明、同意書の提出などがあります。21時以降は絶食となります。
帝王切開の流れ
5.赤ちゃん誕生
お腹を切り始めてから、赤ちゃんが生まれるまでは2~3分ほどです。誕生後、小児科医などのチェックを受けたのちに赤ちゃんの顔を見ることができます。
帝王切開の費用
7.術後
全身麻酔は術後すぐに起こしてもらえます。麻酔が切れると傷の痛みを感じます。腰椎麻酔の場合は睡眠薬で眠っている場合もあり、2~3時間は痛みが和らいでいることも。もし痛みが強い場合は痛み止めを処方してもらえます。
麻酔科医が麻酔から覚めていく状態を確認し、血圧、脈拍などを診て問題なければ入院室へ移ることができます。
この日は、着替えなども医療スタッフが行い、ママはゆっくり休みます。導尿カテーテルが入っているのでトイレにも行きません。
6.処置・縫合
ママは胎盤を取り出し、子宮内をきれいにしたあと縫合となります。ここで意識があるままだとつらいという場合は睡眠薬などを投与してもらうことも可能です。
通常、子宮の縫合には溶ける糸を使い、おなかの縫合には糸を使うか医療用ステープラーが使用されます。30分から1時間ほどで手術は終了となります。
帝王切開手術の費用は施設によらず一律22万1600円と決まっています。32週未満の早産の場合には24万5200円になります。ただし帝王切開の場合は健康保険が適応されるのでこのうち3割が自己負担として通常分娩費用に加算されます。また、帝王切開の場合、入院日数が増えるので、入院費用もかかります。高額医療制度などを利用できる場合があるので確認しましょう。