2016.06.10 Fri 更新

赤ちゃん・新生児も鎖肛になる可能性がある!?その症状や治療法について詳しく紹介

鎖肛は、生まれつき肛門がない病気です。肛門がないということは、食べた物が消化管を通って体の外に出すことができません。そのため、赤ちゃんが生まれたら医師や助産師がおしりを必ず調べ、鎖肛の状態であれば緊急手術を行います。ほとんどの鎖肛が手術によって改善しますが、完治するまでは時間がかかることがあります。

鎖肛の症状

原因ははっきりとは分かっていませんが、発育過程での異常が原因と考えられています。
胎児の初期段階では、肛門・泌尿・生殖器は1つの細胞となっており、妊娠6週前後に分離し、直腸や肛門、膀胱、尿道等を形成していきます。この時に何らかの異常が発生することで、鎖肛が起きるのではと考えられています。
瘻孔ができるのもこの時期です。男の子の場合には膀胱や泌尿器系と直腸が、女の子の場合には直腸と泌尿器系の間にある子宮や膣が繋がってしまいます。出生前に発見することは難しく、超音波検査で胎児の状態を調べますが、鎖肛の有無は生まれるまで分かりません。

鎖肛の原因

鎖肛とは、直腸肛門奇形のことです。
直腸につながった肛門は、食べた物が消化管を通って体の外に出る最後の部分で、便を外に出す、括約筋を使って便が簡単に漏れないようにするといった働きをします。鎖肛(直腸肛門奇形)は、この肛門が生まれつきうまく作られなかった状態で、正常な位置に肛門がない、塞がった状態で肛門が開いていない、瘻孔(ろうこう)という小さな穴が空いているなどの症状がみられます。

出生した赤ちゃんの数千人に1人くらいの割合で発生し、消化管の先天的異常の中で最も多い病気だと言われています。医師や助産師は出生直後に赤ちゃんのおしりを必ず調べ、鎖肛の状態であれば緊急手術が必要となります。 
しかし鎖肛の病気をしっかり理解して、適切な手術などの処置を行えば、日常生活への支障が少ない状態まで回復できる病気でもあります。

鎖肛とは?

鎖肛の治療

などの症状から肛門の位置の異常に気づくこともあります。

新生児期に症状があらわれ、早急に手術が行なわれますが、幼児以上の年齢になってから、
・便が細い
・便が出にくく、便秘がち
・腸閉塞による穿孔

瘻孔がある場合には次のような症状が現れます。
・尿に胎便やガスが混じる(尿道に瘻孔がある場合)
・膣から胎便が出る(膣に瘻孔がある場合)
・子宮や膣に尿が溜まって腫れる

鎖肛は見ただけですぐに判断されます。主な症状は下記の通りです。
・体温を測る際、直腸に体温計が入らない
・授乳中に胎便が出る
・子宮や膣に尿が溜まって腫れる

ダウン症と診断された赤ちゃんのほとんどが体に何らかの異常を発症しており、心臓・消化器系・呼吸器系の疾患が多いと言われています。ダウン症児のうち3~5%の子が消化器系の疾患を持っており、その合併症の一つとしてあげられるのが鎖肛です。
鎖肛と診断されると不安になってしまうかもしれませんが、手術後の回復はほとんど良好です。中間位型や高位型では重度の便秘や便失禁などの排便障害が残ってしまう場合がありますが、訓練を行うことで改善します。時間はかかるかもしれませんが、きっと普通に排便ができるようになるので、焦らずに見守ってあげましょう。

鎖肛の合併症

他の臓器とどの位置でつながってしまっているかによって、低位型・中間位型・高位型の3つに分類し、治療方針を決めていきます。
直腸の末端と肛門皮膚がごく近い「低位」の場合は、新生児期に根治手術を行います。女の子で膣に瘻孔がある場合には瘻孔を拡張して成長を待ち、乳児期以降に根治手術を行います。
皮膚より遠く離れているものはその程度の差や瘻孔の有無によって「高位」や「中位」に分類されますが、この二つに分類された場合は、一時的に腸の一部をおなかの外に出し、排便のための人工肛門造設術を行います。赤ちゃんがある程度成長し、直腸や肛門の機能を担う筋肉が発達してから,改めておしりに肛門を作る根治手術をします。

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