2016.06.14 Tue 更新

二度目の出産で起こりやすい?新生児溶血性黄疸について

新生児溶血性黄疸は、生後1日以内に発症します。生まれてすぐに小さな体で病気にかかってしまうなんて見ていて辛いものがあるかもしれませんが、発症しているかどうかを妊娠中に診断してもらえるので出生後すぐの治療が可能となっています。重症化することも少なくなってきているので、もしも発症しても、心配しすぎずに赤ちゃんを見守ってあげましょう。

1、血液型不適合妊娠
2、新生児の赤血球の先天的な異常
3、感染症や薬剤

新生児溶血性黄疸の原因は、大きく3つに分けられます。

新生児溶血性黄疸の原因

新生児にみられることがある病気で、生後1日以内に黄疸や貧血症状が現れます。新生児の赤血球が急激に破壊されるため間接ビリルビン値が高くなります。

新生児溶血性黄疸とは

血液型不適合妊娠の種類

通常赤ちゃんの血液とお母さんの血液が混ざることはありませんが、何らかの原因で混ざってしまい、赤ちゃんの赤血球に対してお母さん側で抗原をやっつける抗体を作り、赤ちゃんの赤血球を攻撃してしまうようになります。

血液型不適合妊娠とは、お母さんと赤ちゃんの血液型が一致しないことで生じるトラブルを言います。
お母さんのからだの中に存在しない血液型の抗原が、おなかの赤ちゃんに存在してしまうことで、さまざまなトラブルを引き起こしてしまうのです。

血液型不適合妊娠とは

3つの原因の中でも血液型不適合妊娠の割合が一番多く占めています。

Rh式血液型不適合妊娠

ABO式血液型の場合、血液型不適合妊娠についてあまり心配する必要はありません。常位胎盤早期剥離、梅毒など胎盤への感染症、前置胎盤での出血、流産や人工妊娠中絶、羊水穿刺などが原因で赤ちゃんの血液が妊婦さんに入ったことで起こったとしても、ごく少量の血液であるため、通常は症状が出ないか、軽い黄疸があらわれる程度で済みます。
ただし、お母さんがO型、赤ちゃんがA型かB型の場合に血液型不適合妊娠が見られることがあります。

ABO式血液型不適合妊娠

血液型不適合妊娠には、以下の3種類があります。

Rh式血液型不適合は、ABO式血液型不適合に比べて重症化することが多いと言われています。
日本人のRhマイナスは全体の0.5%と少ない割合ですが、お母さんかお父さんがRhマイナスで、赤ちゃんがRhプラスの場合、Rh式血液型不適合妊娠となります。

ABO型ではA型は抗B抗体、B型は抗A抗体、O型は抗A抗B抗体があり、自然にできたこれらの抗体を規則抗体といいます。AB型に規則抗体はなく、A型の人にB型の人が輸血できないのもこの理由からです。この規則抗体以外を不規則抗体といいます。

不規則抗体による不適合妊娠

妊娠中や分娩時に産道の傷などからRhマイナスのお母さんの血液中に、赤ちゃんのRhプラスの血液が入って、不規則抗体(主に抗D抗体)ができます。初めての妊娠ではほとんど問題ありませんが、2人目を妊娠したときに、赤ちゃんが重い貧血状態になるなどのトラブルを起こします。

新生児溶血性黄疸の治療

不規則抗体は、抗Rh(D)抗体、抗Rh(E)抗体、抗M抗体、抗P抗体などが知られています。Rhマイナスも不規則抗体の一種です。不規則抗体があると、お母さんと赤ちゃんとの間に血液型不適合という問題が起こります。

母子間の血液型不適合の有無(ABO式、Rh式血液型など)を調べることが重要です。お母さんと赤ちゃんの間に血液型不適合があり、お母さんの血液中に赤ちゃんの赤血球に対して作られた抗体が認められた場合や、胎児の赤血球に胎盤を通して移行してきたお母さん由来の抗体が認められた場合に、診断が確定します。

診断と同時に迅速な治療が必要となります。血液中のビリルビン値により、光線療法や、免疫グロブリンやアルブミンの点滴静注を行います。症状が重い場合は交換輸血が必要になります。

妊娠中の血液検査で、抗体ができているかどうかを調べることができます。

新生児溶血性黄疸は妊娠中に分かる?

出産前に診断されている場合は、出生後72時間以内にすみやかに、抗Dヒト免疫γ(ガンマ)グロブリン)を注射します。
この処置を行うことで、母体に抗体がつくられるのを予防し、二回目以降の妊娠の際に胎児の血液中で抗原抗体反応がおこらないようにすることができます。

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