循環不全の症状まとめ
最初はほとんど所見がはっきりしない場合や、おっぱいを吸う力が落ち、なんとなく元気がないといった症状から現れる場合、そのあとに皮膚が蒼白になったりする場合があります。
手先足先が冷たくなる末梢冷感や浮腫(むくみ)、大理石様皮膚(皮膚の色が赤紫色の網目状に変化する)なども起こり、そのうち、脈が速くなったり、不整脈、多呼吸などが起こり、血圧低下、尿量減少も起こります。
さらに全身状態を悪化させ、ショック状態へと進む場合もあります。
最悪の場合は死に至ることもあります。
新生児循環不全の症状
新生児循環不全とは、新生児が出産後に組織への血液循環が不良になってしまう状態です。
健康を維持するための十分な血液を送り出すことが出来ないため、死亡してしまう恐れがあります。
新生児循環不全は赤ちゃんが出生後の環境に上手く適応できずに起こります。
お母さんのお腹の中にいた赤ちゃんにとって出生後の環境の変化は劇的です。
身体のつくりが未熟なこともあり、容易に循環不全に陥ってしまうのです。
新生児循環不全とは?
新生児循環不全の治療法
新生児循環不全の原因は様々です。
肺や心臓のトラブル、感染症や呼吸障害、低体温、心不全、頭蓋内出血などにより循環不全を引き起こしやすくなります。
動脈管依存性心疾患では動脈管閉鎖に伴って重篤な(大変症状の重い)循環不全を来すため、注意が必要です。
新生児循環不全の原因
新生児循環不全は初期の所見がわかりくいので、早期発見のためには、「赤ちゃんがなんとなく元気が無い・・・」の「なんとなく」が重要なポイントです。
ママから見て「元気が無い」「消化が悪くなった」「体の色がおかしい」「手足が冷たい」などの症状を感じたら早めに小児科に相談しましょう。
心臓 :頻脈、Ⅱ音亢進、心雑音、不整脈
血管系:低血圧、脈拍微弱
皮膚:蒼白、チアノーゼ、四肢冷感、浮腫
腎臓:尿量減少、低比重尿
脳:自動運動低下、意識レベル低下、易刺激性
肺:多呼吸、呻吟、陥没呼吸
肝臓:腫大
組織での酸素消費量を軽減する目的で、体温は37℃前後に保ち、授乳を禁じます。
酸素投与や人工換気療法、さらに鎮静が必要になる場合があります。
長引く代謝性アシドーシス(血液が酸性に傾いた状態)は炭酸水素ナトリウム(メイロン)を投与して補正します。
血管内の容量不足の場合は、生理食塩水を投与して様子を見ます。
貧血がある場合には輸血、低蛋白血症がある場合にはアルブミン製剤の投与を行います。
循環不全が心不全からきたのか、血管内の容量不足からきたのかを診断します。
胸部単純X線、心エコー(超音波)、頭部エコー、心電図、血液検査などが必要です。
治療法は原因により異なりますが、新生児では両者を合併する場合もあります。
いずれにしても早急に行われることが望ましいです。
診断後、心不全の場合は水分制限と利尿薬、強心薬の投与を行います。
さらに、感染症などの原疾患に対する治療も同時に開始します。
新生児期は免疫力が弱く細菌に感染しやすいため、抗菌薬の投与や点滴などをしてしばらく入院が必要となることがあります。
新生児循環不全は初期には所見がわかりにくいことが特徴です。
普段から赤ちゃんの様子をしっかり観察し、体調の変化を見逃さないようにしましょう。
様子がおかしかったり、哺乳力の低下、ぐったりしている、呼吸が乱れていたりする場合は小児科を受診してくださいね。
早めの対処で最悪の事態を回避することができます。