低置胎盤の原因
低置胎盤は前置胎盤よりもリスクは少ないとされていますが、通常よりも難産になってしまったり、出血量も増えてしまうといわれています。
妊娠初期や中期に胎盤が子宮の下側にあったとしても、妊娠の進行に伴って下の部分が伸びていくため、胎盤がくっついてる場所も上側へ離れていくのがほとんどです。
しかし中には出産まで治らないこともあります。
妊娠後期になっても低置胎盤が自然に治らず、子宮口と胎盤の距離が2cm以下の場合には前置胎盤と同じリスクとして扱われるそうです。
低置胎盤の妊娠への影響
低置胎盤は子宮口から2cm以内の距離に胎盤が付着している状態を指します。
通常、胎盤は子宮の天井付近にくっついているので、子宮の下側に胎盤がくっついているケースは正常ではないと判断されています。
低置胎盤と似た症状に前置胎盤があり、こちらは子宮口に胎盤がかかっていたり、覆っている状態でもっと危険な状態です。
低置胎盤とは?
近年、高齢出産が増えていることに伴い、低置胎盤の頻度も増加傾向にあるそうです。
高齢出産
胎盤が完成する妊娠4ヶ月頃より前に体温が低すぎると低置胎盤になりやすいといわれています。
冷えは低置胎盤だけではなく様々な妊娠トラブルの原因となるので、妊婦さんにとっては大敵です。
体の冷え
低置胎盤が起きる原因はまだよくわかっていませんが、起こりやすいとされている原因はいくつか考えられています。
多胎妊娠(双子やそれ以上の妊娠)の場合、狭い子宮の中に胎盤が2つ以上作られることになり、低置胎盤を発症しやすくなるといわれています。
また、副胎盤など胎盤の形態異常もその原因となる場合があるそうです。
多胎妊娠
子宮内膜症や子宮筋腫など子宮の病気になったことがある妊婦さんは低置胎盤を発症しやすいといわれています。
子宮の病気
喫煙
低置胎盤の出産時のリスク
喫煙によって低置胎盤のリスクが上がることも指摘されています。
喫煙により子宮の血流障害などが生じ、正常な着床を妨げる原因になっているのではないかと考えられています。
下の方にある胎盤が赤ちゃんの頭が出てくるのを妨げてしまいます。
そのため、分娩時間が長くなったり、帝王切開の確率が上がることになるのです。
赤ちゃんが出にくい
大量出血の危険
低置胎盤の分娩時の出血量は通常の1.5倍になるそうです。
子宮口と胎盤の端が近ければ近いほどその危険が高まり、あまりに出血量が多いと胎児が仮死するおそれがあるため、慎重に経過観察をしなければなりません。
また、帝王切開での出産を予定していても、帝王切開の予定日よりも前に大量出血してしまった場合、止血が困難になるケースがあります。
命の危険がある場合には、母体の安全を優先して子宮を摘出せざるをえない状況になることもあるようです。
低置胎盤では帝王切開の確率が高まりますが、通常の分娩で出産できることもあります。
一般的には妊娠36〜37週の時点で胎盤の端から内子宮口までの距離によって帝王切開にするかどうかを医師が判断します。
目安として、胎盤の端から内子宮口までの距離が、0〜2cmの場合、帝王切開になる確率は70%以上で、1〜4cmの場合、0〜37%とされています。
帝王切開の確率が高まる
低置胎盤は前置胎盤ほどではないものの、出産のリスクが高まります。
しかし、一度診断されても妊娠の進行と共に治る可能性もあります。
診断された場合はできるだけ安静にして、担当のお医者さんとよく相談して出産の準備をしていきましょう。