2016.10.05 Wed 更新

無脳症と診断されたら。診断時期・原因・生存率

無脳症は赤ちゃんの先天性の奇形のひとつ。漫画ブラックジャックでも登場していたので、ご存じの方もいらっしゃると思います。異常が見つかった段階で生存率がほぼゼロとつげられる悲しい現実に対して、どう向き合えばよいのでしょうか?今回は無脳症の現状について詳しく調べてみました。

現在のところはっきりとした原因は解明されていませんが、遺伝子、飲酒やタバコの害、葉酸不足に関係があるのではないかという説があります。
無脳症の発症はアメリカでは出産1,000人につき1人、日本では10,000人に5〜6人の地域差が見られます。
人種によって発症率の差があることから、遺伝的な要素や、母体の栄養状態などが原因であると言われています。
また、厚生労働省は無脳症になる原因、神経管閉塞障害の予防としてビタミンBの一種である葉酸を妊娠初期から摂るように勧めています。

無脳症の原因

無脳症の胎児は大脳半球が欠損して全くないか、または小さな塊に縮小している状態です。
大脳のほか、生命の維持に重要な役割を担う脳幹の発達も障害され欠如する例が多いため、胎児の75%は死産になるといわれており、残りの25%もほとんどが生後1周間以内に死亡するといわれています。
しかし、中には極稀に1年以上も生存しているケースもあります。

無脳症(Anencephaly)は、神経学的奇形症の一つです。
妊娠4週目頃の超初期の段階で脳や脊髄の成長に何らかの問題が起こり、後々の脳の成長が妨げられてしまう症状のことをいいます。

無脳症とは

無脳症と診断されたら

脳は人間の命のほとんどをつかさどる機関です。そこに重大な欠損があれば、生存することもままなりません。
しかし、胎内で死亡して流産となるケースは少なく、出産のときまでは生命を維持します。
胎内ではママが赤ちゃんの生命の維持を担っていますが、生まれてくると1人で生きなくてはいけません。
死産となる確率が75%で、残りの25%もほとんどが生後1周間以内に死亡するといわれています。
受け入れる環境によっても変わってきますが、出生したとしても生存可能なのは長くて2年程度のようです。

無脳症の赤ちゃんの寿命

無脳症の早期診断が可能な時期は8週目頃から。
妊娠11週〜14週頃にエコー写真から無脳症が疑われることが多いようです。
無脳症は脳が欠損しているだけで、他に異常がなく、心臓やその他の身体は正常に発育します。
そのため診断が難しく、妊娠12週前後ではわからず、妊娠20〜25週頃になって診断される場合や、一度診断された後、大学病院などで確定診断を受けるように指示をされる場合もあります。

無脳症の診断

出産は体力的にも経済的にも大変なことだからです。
ただ、少ないケースですが無脳症だとわかっても出産を望むご両親もおられます。
お腹の中の赤ちゃんのエコー写真や3Dスキャン動画を見て、産むことを決意されたという話も聞きます。

無脳症がダウン症などの疾患と違うところは、その生存率の低さです。
たとえ障害があっても生きて成長してくれる望みがあるケースと、生存が絶望的なケースでは雲泥の差があります。
おそらく医師に言われるのはママの体調を整えて、次の妊娠に備えたほうが良いということだと思います。

残念ながら現在の医学では無能症児を母体の中で治療する方法はなく、自然治癒したケースもありません。
生存率の低さもあり、診断を受けた時点で中絶を選択する方が多く、出産まで進むケースはごく稀な状態となっています。

無脳症の原因はわかっておらず、診断されたとしてもママのせいではありません。
女性がお腹の中で命を生み育てるのはとても繊細で大変なこと。
ときにはトラブルが起きてしまうこともあります。
決してご自分を、あるいはご家族を攻めるようなことのないようにしてくださいね。

ランキング

ページトップへ