2016.10.09 Sun 更新

苦しそうな咳、声がかすれる。赤ちゃん・幼児のクループ症候群とは。症状・原因・治療法

「クループ症候群」はあまり聞き慣れない病名ですが、赤ちゃんや幼児など小さいお子さんによく見られる病気です。ケンケンと辛そうな咳、発作のような咳、苦しそうな呼吸をしている場合はクループ症候群が疑われます。今回はクループ症候群の症状・原因・治療法などをご紹介します。

・ケンケン、コンコンといった乾いた咳が出る
・犬の遠吠えやオットセイの泣き声のような独特な咳をする
・泣くときに声が出せず、ヒーヒーと息がもれるような音がする
・突然の呼吸困難(呼吸のたびに鎖骨のくぼみ辺りがペコペコ凹む)
・声がかれる

クループ症候群の症状

軌道の内側が狭く組織も未熟な生後3ヶ月〜5歳の子どもに見られる疾患で、そのほとんどは3歳までに発症します。
原因となるウイルスが活発になる冬に多くみられ、女の子よりも男の子のほうがかかりやすいといわれています。

クループ症候群は特定の病名ではなく、声帯や喉の周辺がウイルスや細菌によって炎症を起こす疾患の総称です。
つまりかぜの一種ですが、かぜ症状から突然「吸気性呼吸困難(息を吸う時に息苦しい・息を吸うことができない)」が起こり、泣いてもいつものような声が出ず「ヒーヒー」と息が漏れる音がします。

クループ症候群とは

仮性クループ

クループ症候群は原因によっていくつか種類があります。

クループ症候群の種類・原因

また、息を吸う時にあわせて「ゼイゼイ」と発作が出ることもあります。
気管支喘息の場合は息を吐いたときに「ゼイゼイ」といいますが、クループ症候群では息を吸う時に「ゼイゼイ」というので見分けることができます。

ウイルス感染でかぜを引いた場合には咳、鼻水、熱、頭痛、関節痛と様々な症状がでますが、クループ症候群の場合には、これにくわえて特徴的な咳が出たり、呼吸が苦しくなりやすくなります。
犬が遠吠えしているような、深く低い、長い咳をするのが特徴的です。

痙性クループ

炎症を引き起こす原因がジフテリア菌やインフルエンザ菌b型(ヒブ)のものを真性クループといいます。
ジフテリアは現在ではほとんど見られなくなりましたが、予防接種が終わっていないお子さんであれば注意が必要です。
高熱やひどい呼吸困難を伴い、急激に症状が悪化することがあります。

真性クループ

アデノウイルスやインフルエンザウイルスによって起こります。
クループ症候群の中で最も多いもので、単にクループと言われた場合には仮性クループのことを言います。

アレルギー素因がもともとある上でウイルスによって感染することによって起こります。
一回の発作は数時間で軽快することがほとんどです。
発作を繰り返しながら就学時くらいには良くなっていることが多いようです。

クループ症候群の治療法

食べ物がのどに詰まってしまったり、腫れものができて、喉の通り道が狭くなってしまうことによってもクループ症候群がでることがあります。

物理的に喉につまってしまう・腫瘍など

クループ症候群の治療は原因や症状の程度によって薬物療法が行われます。
咳を鎮める薬や喉の腫れをとる薬、細菌が原因なら抗生剤の投与が行われます。
自己判断で市販の咳止めを飲ませるのは避けてください。

適切な治療を受ければ1周間程度で症状はよくなるでしょう。
家庭では咳を少しでもやわらげられるように、湿度を50〜60%に保ち、安静にさせてください。

クループ症候群の病院受診のタイミング

クループ症候群の特徴的な症状が出た場合は、病院を受診しましょう。
クループ症候群は日中よりも夜中に咳がひどくなる場合がよくありますが、咳が酷すぎて肩で息をしたり水分をとれなかったりするときは、すぐに救急病院に連絡して指示を仰いでください。

このまとめに関する記事

ランキング

ページトップへ