・陰嚢に触ってもコロコロとした睾丸が感じられない
・陰嚢の大きさが左右で違う
・片方だけの場合と両方ない場合もある
停留精巣の症状
停留精巣、もしくは停留睾丸ともいいます。
停留精巣とは、男の子の精巣(睾丸)が、本来おさまるべき陰嚢(睾丸を入れる袋)に降りてこない病気です。
妊娠初期、男の赤ちゃんの場合、精巣は陰嚢ではなくお腹の中にあります。
ですが通常ママのお腹の中にいる胎児期(妊娠3〜9ヶ月頃)に、精巣は陰嚢におさまるようになります。
しかし何らかの原因で精巣が降りずに鼠径部にとどまっている状態が「停留精巣」です。
停留精巣ってどんな病気?
男の子の精巣(睾丸)は、はじめから正常な状態にあるのではなく、胎児の頃から生後すぐまでに成長してきます。
ただし、成長してくる過程で、精巣に関するトラブルも色々あります。
停留精巣(停留睾丸)は早期発見が大切ですが、比較的ママが発見しやすい病気です。
治療法は?
移動性精巣の場合は基本的に治療は必要ない場合が多いですが、念のため医師と相談しましょう。
停留精巣との区別は難しいこともありますが少し異なります。
精巣が陰嚢まで降りてきているのに鼠径部と陰嚢の間を行き来するのが「移動性精巣」です。
症状としては、刺激があったり緊張している時は陰嚢が空っぽになり、リラックスしている状態であれば陰嚢内に精巣がおさまり、睾丸にふれることができます。
移動性精巣とは
このように睾丸に触れるとママも気が付きやすいと思います。
ただし停留精巣には、「移動性精巣」というもう一つのパターンがあります。
手術後は傷口の確認と精巣の発育状態を観察するために、定期的な診断が必要になります。
まれに手術で降ろした精巣が上がってしまうこともあります。
ママとパパでよく観察してあげましょう。
精巣が発達するためには、体温より1~2度低い状態が望ましいため、陰嚢は体の外にあります。
そのため、いつまでも温度の高いお腹にとどまっていると、精巣の発育が遅れる心配があります。
精子を作る細胞が少なくなり、成人したときの不妊の原因にもなりかねません。
またそのままにしておくと、悪性腫瘍になる可能性もあるため治療が必要です。
多くは経過を見ますが、生後1歳を過ぎても精巣がお腹の中に止まってしまうと精巣の細胞数が徐々に減少してしまいます。
そこで1歳をこえても、精巣が陰嚢内に触れない場合は手術をします。
精巣を本来の陰嚢内に固定するもので手術時間も1時間前後の場合がほとんどです。
おわりに
赤ちゃんの精巣の発達経緯が少しお分かりになったと思いますが、胎児の頃から生後1年の間が大切な時です。
将来のためにも、今回のような症状に気が付いたら、早めに小児外科、小児泌尿器科を受診しましょう。