産褥熱の症状
分娩によって産道や子宮腔内にできた傷が細菌に感染し、起こります。
この傷は、子宮口が開いてきたかを確認するための内診や会陰切開、止血処理などの際にできます。
感染源や感染経路は様々なので、確実に「これ!」と決めることは難しいのですが、主に、手指や手術で使う器具から感染する外部感染と、外陰部や膀胱から感染したり、虫垂炎など他の臓器の炎症から感染したりする内部感染です。
まれに胎盤の全体(もしくは一部)が子宮内に残っている胎盤遺残によって、産褥熱が起こる場合もあります。
産褥熱の原因
産褥熱とは、分娩を行った後24時間以降に起こり、分娩後の10日間までの間に、38度以上の高熱が2日以上続くような場合の発熱のことを言います。
産後の母体が妊娠前の体に戻ろうと急速に変化する時期である「産褥期」に起こるので「産褥熱」と呼ばれています。
産褥熱とは?
分娩後1週間以内に発熱することは珍しくありませんが、2日以上熱がひかない場合は、医師に診てもらう必要があります。
治療には、基本的に抗生剤が使われます。
内服もしくは点滴による治療で、数日後には解熱します。全身の症状も改善する場合がほとんどです。
子宮内に胎盤や卵膜の一部が残っている場合は、その残っている物を取り除く治療を行います。
産褥熱の対処法
出産後の発熱全部が問題になる訳ではありません。
正常の経過でも、分娩から4〜5日目くらいまでは、37℃程度の発熱を起こすことがあります。
37℃程度の発熱ならあまり心配しないでも大丈夫ですよ。
38℃以上の発熱が続く場合には、放置せずに、病院を受診するようにしてくださいね。
出産後の間もない時期に高熱が2日以上続きます。また、下腹部の痛みや悪臭をともなう悪露などがみられます。
他にも、頭痛や倦怠感、そして多臓器不全やショック状態まであります。
症状には個人差があるようですね。
産褥期の過ごし方で、身体の回復スピードが変わっていきます。
よほどのことがない限りは外出も控えて、安静にしましょう。
めまいや動悸を感じたときは無理をせず横になってくださいね。
産後すぐから始められる「産褥体操」を行ったり、栄養バランスの取れた食事をとるようにしてくださいね。
また、産後は体力がなく、免疫力が起こっているので、感染症にかからないよう、清潔にしておくことを心がけてくださいね。
産後の正しい過ごし方
入院中に熱が出た場合は、病院が迅速に対応してくれます。
なので、入院中はあまり心配しないでも大丈夫ですよ。
また、糖尿病治療中の方やステロイド剤使用中の膠原病の方は、高血糖を引き起こしてしまうので、感染症の治療に悪影響を与える可能性が極めて高いのです。
そのため、全身状態をよくするための治療を併行して行わなければいけません。
いかがでしたか?
出産後の病院に入院している時期に発熱を感じたら、まずは病院を受診して、早めに処置を受けるようにしてくださいね。
産後の身体は大変デリケートなんで、自己判断せずに病院を頼るようにしましょう。