人工授精の処置のために精子を子宮内に注入した後は、自然妊娠と同じ流れを辿ります。
精子は1〜3日かけて移動して卵子と出会い受精卵になり、その後7〜10日程かけて子宮へ移動して着床します。
なので、着床する時期は精子の注入から7〜11日後です。
人工授精後の着床時期は?
主に、精子の数が少なかったり運動率が低かったりする場合や、膣内でうまく射精が出来ないなど男性側に不妊の原因がある時に行われることが多いようです。
人工授精は、女性の子宮内に精子を注入することで授精させる医療技術です。
この人工授精は大きく分けて2つあり、配偶者が精子を提供した場合には「配偶者間人工授精(AIH=Artificial Insemination by Husband))」と呼び、第三者から精子の提供を受けた場合には「非配偶者間人工授精(AID=Artificial Insemination by Donor)」と呼びます。
そもそも人工授精って?
着床出血
着床の前後に下腹部に痛みを感じることがあります。
この痛みには医学的な根拠はありませんが、着床前後にチクチクとした痛みを感じたという話が妊娠経験者から多く聞かれることで、「着床痛」と呼ばれています。
着床痛
着床した時にも、自然妊娠と同じような症状が出ることがあります。
よくある着床時の身体の変化についてご紹介します。
着床時にはなにか症状が出る?
おりものの変化
着床すると高温期が長く続きます。
人工授精の処置の後に、2週間以上高温期が続くような時には妊娠している可能性が高いと言われます。
基礎体温
着床する時に傷ついた子宮内膜から出血が起こることがあります。
しかし、この出血はあまり量が多くなく、おりものと混ざって薄いピンク色や薄茶色の出血があります。
出血がある期間は個人差もありますが、1〜2日程度で治まる方もいますし、1週間以上続く場合もあります。
女性の膣内を守るために分泌されるおりものですが、着床すると黄体ホルモンなどの女性ホルモンの分泌が活発になるために分泌量が増えます。
また、子宮内の活動が活発になることでも、おりものの量が増えることがあります。
人工授精1回あたりの妊娠する確率は5〜10%だと言われています。
排卵日付近に行なった性交によって自然妊娠する確率に比べると、半分ほどの確率です。
人工授精を受けたからと言って、必ず妊娠するということではなく、一般的に医師と相談しながら計画をたてて複数回人工授精の処置を行います。
人工授精の成功率って?
成功率を上げる方法は?
人工授精を受けた女性の内、約9割が4回めまでに妊娠したというデータがあるようですが、人工授精の回数を重ねる毎に妊娠する確率は下がっていくと言われています。
6回目以降では妊娠する見込みが少ないので、不妊治療を次のステップに進めることを提案されることも多いようです。
では、人工授精での妊娠率を上げる方法はあるのでしょうか?
こちらは自然妊娠の確率を上げる方法とも共通していますが、まとめてご紹介いたします。
冷やさない
タバコを吸うと血管が収縮するので血行が悪くなります。
子宮内の血行が悪くなると子宮内膜の状態にも影響しますので、もしタバコを吸っている場合には禁煙するのがオススメです。
禁煙
身体が冷えると骨盤内や子宮の血行も悪くなるので、着床率がさがります。
女性の場合、男性に比べて冷えやすいと言われているので、腹巻きやカイロをうまく活用しながらおなかから下半身を冷やしてしまわないように気をつけましょう。
過剰なアルコール摂取は身体全体に負担をかけます。
ホルモンバランスなどにも影響を与え、妊娠する可能性が下がってしまうこともあるので、妊活中にはアルコールは控えるようにしましょう。
アルコールを控える
葉酸をとる
葉酸は細胞分裂などに欠かせないもので、妊娠を望む女性は積極的にとることを薦められています。
妊娠後の胎児の健康な発達も促しますので、妊娠前〜出産までは特に注意して摂りたい栄養素です。
食事だけで必要な量を補うのは難しいので、厚生労働省でもサプリなどを活用する事を推奨しています。
体重の管理
痩せ過ぎていたり太り過ぎていたりすると、体内のバランスが崩れやすくなります。
バランスの良い食事や適度な運動を心がけて、健康的に標準体重を目指しましょう。
年齢
自然妊娠でも人工授精でも、できるだけ年齢が若いほうが妊娠率は上がります。
なので、不妊治療に踏み切るか悩んでいる場合は、確率を上げるためにもできるだけ早くトライした方がいいでしょう。
ストレス解消
ストレスが溜まると、女性ホルモンのバランスが崩れやすくなります。
ホルモンバランスを整えるのは、妊活の基本です。
おしゃべりや軽い運動、趣味に打ち込むなど自分にあったストレス解消法を見つけて、ストレスを溜め込まないように気をつけましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
不妊治療の第一歩として人工授精をすすめられることもあるかと思いますが、どんな処置を行うのか、どのくらい成功するのかなどを知っておくことで不安な気持ちをなくすことも出来ますよね。
かわいい赤ちゃんに出会うためにも、まずは2人揃って検査を受けて不妊の原因を探り、適切な治療を受けるようにしましょう。