2017.02.07 Tue 更新

妊娠中期(妊娠16〜27週)の不正出血。原因はいったい何?

妊娠中期は、妊娠中の中でも体調が最も安定している期間であるため「安定期」と呼ばれています。 子宮も大人の頭くらいに大きくなり、お腹も大きくなっていきます。 順調に育っていることを実感できる期間でもある妊娠中期でも「不正出血」は起こります。 今回は「妊娠中期(妊娠16〜27週)の不正出血の原因」についてご紹介します!

子宮頸管無力症

妊娠22週目以降は、妊娠が継続できなくなって出産することを「早産」と言います。
妊娠37週未満で母体の外に出てしまうと、新生児集中治療室(NICU)での治療が必要になることがほとんどです。
早産には、死産だけではなく、早産児は病気になりやすい等のリスクもあります。
早産の一歩手前が「切迫早産」です。

早産・切迫早産

妊娠中期は安定期であるということもあり、流産の可能性が少なくなる時期です。
安定期なので出血は起こらないと思われがちですが、妊娠中期の出血は珍しくないのです。
妊娠したことが分かってから起こる、妊娠中期(妊娠16〜27週)の不正出血の原因は以下の通りです。

妊娠中期(妊娠16〜27週)の不正出血の原因

赤ちゃんがお腹の中にいるのに、胎盤が子宮の壁から剥がれてしまうことを「常位胎盤早期剥離」いいます。
胎盤が子宮から剥がれると、赤ちゃんへの酸素と栄養の供給が止まってしまって、お腹の中で赤ちゃんが死んでしまうことがあります。
母体死亡率は1〜2%、胎児死亡率は30〜50%と、死亡率はかなり高いです。
症状は事前に知っておいて、急な治療に対応できるようにしたいですね。

常位胎盤早期剥離

胎盤が正常よりも低い位置にあり、子宮口を塞いでいる状態が「前置胎盤」と呼ばれています。
子宮口は出産時には赤ちゃんにとって産道の入口となる場所です。
その子宮口を胎盤で塞がれてしまうと危険な状態なので、前置胎盤と診断された人の多くは帝王切開で出産します。

前置胎盤

本来は開かないはずの子宮口が妊娠中期以降に陣痛でもないのに開き始めて妊娠が維持できなくなる病気が「子宮頚管無力症」です。
子宮頸管が短くなって、子宮口は大きく開いて羊水が出てきてしまう等の症状が見られて、流産や早産を引き起こしてしまいます。
発症率は約0.05〜1%と決して高くありません。ですが、この疾患を引き起こしている場合、流産や早産の可能性が高くなります。

子宮頸管ポリープは、女性特有の病気の一つです。
子宮頚管の粘膜に形成される良性の腫瘍が「子宮頸管ポリープ」です。
痛み等の自覚症状がないので、発見が遅れやすく、切除等の処置が必要になることもあります。

子宮頸管ポリープ

女性ホルモン「エストロゲン」の影響によって、膣内が赤くただれた様に見える生理現象です。
出血は内診や性行為等の刺激によって起こると言われており、妊婦の半数以上が経験されるもの症状です。

子宮膣部びらん

出血があったときは…

いかがでしたか?
妊娠中期は安定期だということもあり、動き過ぎてしまう方もいます。あまり動き過ぎないようにしてくださいね。
妊娠中期の不正出血は放置しておくと大変危険なものや、病院での処置が必要なものがあります。
不正出血が起こったら、まずはかかりつけの産婦人科に相談するようにしてくださいね。

出血が見られたときには、まず「色」と「量」を確認するようにしてくださいね。
妊婦検診後、性交後におりものに血が混じった程度の出血だった場合は心配ないことがほとんどです。
ナプキンに血がつくような出血や、お腹の痛みに張りが伴った場合は、まず病院に電話をして診察を受けるようにしてくださいね。

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