葉酸の由来
そのため、赤ちゃんの新しい細胞が作られる妊娠期や授乳期のお母さんにとって、葉酸は必要不可欠な栄養素とされています。2002年からは母子手帳にも葉酸に関する記述が記載されています。
ビタミンB12とともに、赤血球の生産を助ける造血ビタミンでもあります。
特に、核酸とはDNAやRNAのことで、細胞の核の中にあって遺伝情報を保存し、遺伝情報の通りに身体をつくっていく指令を出すところ。いわば、生命の根幹です。
妊娠期に欠かせない栄養素として注目されている「葉酸」。
どんな働きをするものなのか、ご存じですか?葉酸は、水溶性のビタミンB群の一種です。
代謝に関わりが深く、タンパク質や核酸の合成に働いて細胞の生産や再生を助け、体の発育を促してくれます。そのため、細胞が新しくつくり出される場に必須の栄養素です。
そもそも葉酸とは何か
ホモシステインは、新たな動脈硬化性疾患の危険因子として注目されている物質。
葉酸やビタミンB12、ビタミンB6はホモシステインの産生を抑制することがわかっています。
最新の研究では、これらのビタミン摂取による血中ホモシステイン値の低下が、虚血性心疾患の予防につながると大きな期待が持たれています。
最近の研究で、葉酸は細胞の中で、動脈硬化の危険因子であるホモシステインと呼ばれるアミノ酸を、血液中のコレステロール値を下げることで知られるメチオニンと呼ばれるアミノ酸に変換する反応を助ける働きもあることが明らかになりました。
葉酸に期待される効果
葉酸は、1941年にホウレンソウの葉から発見されました。
そのため、ラテン語で「葉」を意味する「folium」から「folic acid=葉酸」と名付けられました。
葉酸と一緒に摂りたい栄養素
赤血球の生産を助ける葉酸の不足は、生活習慣病などの心血管系疾患や、悪性の貧血(巨赤芽球性貧血)を引き起こす原因のひとつとされています。
また、細胞の産生を助けるそのはたらきから、細胞分裂の盛んな箇所で欠乏症状が現れやすいことが知られています。
代表として、免疫機能減衰、消化管機能異常などがあげられます。
また、授乳期においては、赤ちゃんの発育に遅れをおよぼすことが指摘されています。
現在、葉酸の過剰摂取による疾患は認められていません。
たとえ、必要摂取量を多少オーバーしてしまっても、葉酸は水溶性ビタミンなので、過剰分は尿の中に排出されてしまいます。
敏感にならず、積極的に摂取することが大切です。
葉酸が不足すると、どんな影響が出るのでしょうか。
胎児の細胞分裂がさかんな妊娠初期(4週~12週)においては、先天性の疾患をまねく危険があり、特に、「二分脊椎症」などの神経管閉鎖障害の発症リスクが高くなると言われています。
葉酸不足が赤ちゃんに与える影響
他にも、鉄や銅、ビタミンCも葉酸と相性が良い栄養素と言われています。
妊娠を計画している女性に望ましい量は1日400μg、妊婦への推奨量は440μg。
葉酸400μgを摂るには、ほうれん草なら約200g、1把分に相当します。
決して少ない量ではありませんが、食材や献立、調理法を工夫し、葉酸たっぷりの食事を目指しましょう。
そしてもう一つ、ビタミンB6も葉酸と相性が良いと言われています。
葉酸とビタミンB6を一緒に摂ると、ホモシステインの血中濃度を下げる働きをします。
ホモシステインは動脈硬化の原因の1つと言われていますので、葉酸とビタミンB6を一緒に摂ることで動脈硬化をリスクを低減してくれます。
葉酸を摂るときにいっしょに摂った方がよい栄養素があります。
それがビタミンB12です。葉酸はそれだけを摂ったのでは体内に吸収されにくい栄養素で、ビタミンB12が葉酸の吸収をたくけてくれる、とっても葉酸と相性が良い栄養素なんです。
ですから、葉酸のサプリメントを選ぶ際には葉酸だけのサプリメントよりもビタミンB12を含んだものの方が効率よく吸収されるというわけです。
さらに、ビタミンB12は葉酸とともに造血ビタミンと言われ、造血作用に関わっています。