2017.05.21 Sun 更新

母子感染は危険?妊娠中に気をつけたい感染症についてまとめました。

妊娠中は免疫力が低下していることもあり、感染症にかかりやすいため、予防することが重要です。感染症になっても、赤ちゃんにとって有害な薬を飲まなければ大丈夫だと考えている方もいます。妊娠中の感染症は、「母子感染」によって赤ちゃんも感染してしまい、赤ちゃんに悪い影響を与えてしまうことがあるので、注意が必要になります。今回は、「妊娠中に気をつけたい感染症」についてご紹介します!

妊娠中に気をつけたい感染症

母子感染の感染経路には種類があり、感染症の種類によって感染経路は異なります。
「胎内感染」は、赤ちゃんがお腹の中にいるときに赤ちゃんに感染してしまう母子感染です。
次に「産道感染」は、出産の最中に赤ちゃんが産道を通って出てくるときに感染してしまう母子感染です。
最後にある「母乳感染」は、授乳中に母乳を飲むことで感染してしまう母子感染です。

お母さんが感染してしまった「感染症」のウイルスや細菌にお腹の赤ちゃんが感染してしまうのが「母子感染」です。
妊娠する前から、もともと微生物を持っている人は「キャリア」と呼ばれます。

母子感染

麻疹ウイルスに感染して起こる感染症です。
麻疹ウイルスは感染力が強いため、空気感染や飛沫感染、接触感染等様々な感染経路で、人から人へと感染していきます。
子どもに多いとされている感染症ですが、ワクチン接種歴がなかったり、持っている抗体が少ないと、大人でも感染します。
妊娠中に感染すると、流産や早産を引き起こす危険性があるので、感染を防ぐため、麻疹が流行している時期は外出を控えるか、人混みを避けるようにしてくださいね。

麻疹

風疹ウイルスに感染することで発症する急性の発疹性の感染症です。
春から夏にかけて多く見られます。
妊娠中に風疹に感染した場合、妊婦さんにはそれほど悪影響はありませんが、お腹の中の赤ちゃんに影響があります。
妊娠12週未満で感染すると、80〜90%は胎児にも感染し、そのうちの90%以上が先天性風疹症候群を発症してしまいます。
現在では風疹の予防接種は義務付けられているので、抗体を持っている人が多いのですが、抗体がなくなっていたり、少なかったりします。そんな方は予防接種を受けて、抗体を新たに作るようにしましょう。

風疹

妊娠中に気をつけたい感染症には、妊婦検診のときに検査を受ける病気もあります。
母子感染を防ぐためには、妊婦健診で受けられる検査は必ず受けるようにしてくださいね。
妊娠中に気をつけたい感染症は以下の通りです。

梅毒トレポネーマによって起こる細菌感染症です。性行為によって感染します。
このウイルスに感染すると、胎盤を通じて赤ちゃんに感染し、「先天性梅毒」という神経や骨に異常をきたす病気を引き起こす危険性が高くなります。
梅毒と診断された場合、すぐにペニシリンという抗生物質で治療していきます。
妊娠13週までですと、胎児への感染率は低く、治療の効果が出やすいとされています。

梅毒

HIVとは、身体を細菌やカビ、ウイルス等から守る免疫細胞に感染し、増殖していくウイルスです。
このウイルスに感染すると「エイズ(AIDS:後天性免疫不全症候群)」を発症してしまいます。
妊娠初期にHIV抗体検査を受け、感染の有無を調べます。
感染している場合は、妊娠34週頃まではHIVの増殖を抑える治療を行います。
また、母子感染を避けるために、妊娠35週以降で陣痛が起こる前に帝王切開をして出産します。
生まれてきた赤ちゃんにはHIVの増殖を抑制する効果のあるシロップを飲ませて完全ミルクで育てます。

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症感染症

B型肝炎

C型肝炎

B型肝炎ワクチンの予防接種を受けておけば、かなりの確率で感染を予防することは可能です。
妊娠中にB型肝炎ウイルスに感染していた場合でも、生後すぐに赤ちゃんに免疫グロブリンの予防接種を受けることで、母子感染のリスクを減らすことができますよ。

B型肝炎は、肝臓に炎症を引き起こし、働きを低下させるウイルスである「B型肝炎ウイルス」に感染し、発症します。
赤ちゃんの免疫機能が未熟なため、慢性肝炎になってしまいます。
目立った自覚症状はありませんが、乳児期に重い肝炎を発症したり、将来的に肝硬変や肝がんを発症する危険性が高いとされています。

成人T細胞白血病

C型肝炎もB型肝炎と同様に、働きを低下させるウイルスである「B型肝炎ウイルス」に感染し、発症します。
こちらも赤ちゃんに感染しても目立った症状はありません。ですが、将来的に肝硬変や肝がんを発症する危険性が高いとされています。
分娩時の血液で産道感染する可能性があるので、予定帝王切開が選択されることがあります。

成人T細胞白血病は、血中のTリンパ球に感染するウイルスである「ヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)」に感染することで発症します。ヒトT細胞白血病ウイルス-1型は、「関連脊髄症(HAM)」の原因にもなります。
主に母乳によって感染するので、母乳ではなく完全ミルクで育てることになります。

性器クラミジア感染症

B群溶血性連鎖球菌(GBS)に感染することで発症します。
このB群溶血性連鎖球菌(GBS)は、腟や直腸、膀胱、肛門の周り等に存在していますが、害を与えることはほとんどありません。
妊娠後期にGBSを保有しているかの検査を受け、GBS感染が陽性であることを確認してから治療が行われます。
赤ちゃんに感染してしまうと、「新生児GBS感染症」と呼ばれる症状が見られ、危険な状態になってしまうことがあるので、赤ちゃんに感染させないよう、帝王切開で出産することになります。

B群溶血性レンサ球菌(GBS)感染症

「クラミジア・トラコマチス」という病原体に感染することで発症します。性行為によって感染します。
自覚症状がほとんどないため、妊婦健診で初めて感染に気づく方も多くいます。
妊娠中の感染は、滅多にありませんが、感染してしまうと流産や早産の危険性が高まると言われています。
また、赤ちゃんが10~20%の確率で肺炎に、25~50%の確率で結膜炎にかかって生まれてくる危険性もあります。

いかがでしたか?
早期発見・治療により、母子感染や将来的な発症を予防することができます。
生まれてくる赤ちゃんの命と健康のためにも、予防はしっかりとしておいてくださいね。

まとめ

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