2016.03.29 Tue 更新

妊娠高血圧が原因で起こる子癇ってどんな症状なの?

子癇(しかん)は妊娠高血圧症候群の最も重い症状で、母子ともに死に至ることもある恐ろしい病気です。その症状は激しく、速やかに治療を施さなければ大変危険です。特に妊娠後期の子癇発作では母子ともに命の危険性が高いので、予防と悪化させないことが重要です。減塩、安静などで血圧をコントロールで対策をしましょう。

また、妊娠高血圧症候群の一つで子癇前症と呼ばれる、尿タンパクを伴う高血圧の症状で早期の発見ができる場合があり、妊娠中にむくみや過度の体重増加の症状が現れた場合は、直ちにかかりつけの医師の受診するようにしましょう。
ちなみに、子癇前症の200人に1人の割合で血圧が非常に高くなり発作が起きるケースがあり、この状態におちいると“子癇”とされます。
また、以下に当てはまる方が発症しやすいとされていますので、注意が必要です。

子癇前症の早期発見が重要

最も多いのは妊娠子癇ですが、重複して発生することもめずらしくありません。
子癇での死亡率として、最近では減少傾向にあるようですがそれでも母体が10〜15%、胎児が25〜40%と言われているようです。

・妊娠子癇:38~53%
・分娩子癇:18~36%
・産褥子癇:11~44%

子癇とは、妊娠高血圧症候群の妊婦が妊娠20週以降に初めて意識障害を伴うけいれん発作を起こした場合に診断されます(“てんかん”など二次性のけいれんは含まない)。
また、子癇は時期によって妊娠子癇、分娩子癇、産褥(さんじょく)子癇の3つに分類されます。

子癇とは?

子癇発作の症状

妊娠高血圧症候群の人は、頭痛・目がちかちかしたり視野が狭まったりなどの目の症状・耳鳴り・胃痛などに気付いたらすぐに受診しましょう。
重症なら入院して治療をましょう。

子癇発作の前触れ

・初回の妊娠
・多胎妊娠
・これまでの出産で子癇前症を発症したことがある
・肥満
・高血圧や血管障害がある
・血液凝固疾患がある
・20歳未満の場合や35歳以上の場合

第2期

顔面蒼白になり、いきなり失神します。
瞳孔は開き、顔面の細かいけいれんが起こり顎も緊張します。(数秒~数十秒)

第1期

子癇発作の症状は、次の4段階に分けられます。

全身がこわばり弓なりになります。
強直性痙攣という状態になり、かなりひどい痙攣をおこします。
呼吸が止まり顔面が蒼白から紫に変わります。(20秒ほど)

第4期

緊張と弛緩をくりかえします。
がくがくとした痙攣をおこし、口から泡をふいたりします。
まぶたと口が激しく開閉します。

第3期

治療・予防方法

痙攣が治まった後、呼吸は戻りますが、いびきをかいて昏睡状態に陥ります。
昏睡状態の時間はまちまちです。
ここから徐々に回復していく場合と第2期に戻って発作を繰り返す場合に分かれる。
昏睡状態から意識が戻らず、死に至る事もあります。

治療法

子癇発作の原因は不明ですので、妊娠高血圧症候群の早期発見と早期治療のために定期健診をきちんと受診することが大切です。
また、減塩、高タンパク、低カロリーの献立を意識し、脂肪は植物性を中心とし、糖分も減らした食生活を心がけましょう。塩分摂取は1日7〜9gに抑えることが推奨されています。タンパク質も豆腐や魚を中心に脂身の少ないものをとるようにしましょう!
何より、ストレスをためないように心と体を安静にして過ごすことも大切です。

予防法

満期妊娠の場合、母体の状態が落ち着いたらすぐ出産ということになります。
母体を守るために帝王切開による早産が選択されることもままあります。
出産後72時間内はまだ発作の起こる危険がありますが、それが過ぎれば心配はなくなります。

・外部からの刺激(光・音など)により発作を誘発しないように、また再発を防ぐために暗くした部屋で安静に過ごします。
・必要に応じて発作予防の硫酸マグネシウムを投薬されます。
・降圧剤や利尿薬・鎮静剤などの投与により、母体を安静な状態にします。

まずは妊娠高血圧症候群に注意しましょう

最近では子癇発作による死亡率はかなり減少していますが、起こると母子共に大変危険です。
しかし、なんの前触れもなく起こる症状ではないので備えることができます。
血圧上昇、尿たんぱくなどを健診でチェックし、まずは妊娠高血圧症候群を警戒することが大切です。
日頃の生活習慣を見直し、妊娠高血圧症候群の予防に努めるようにしましょう。
もし妊娠高血圧症候群と診断されたら減塩食にして安静に過ごし、血圧の数字に気をつけて生活をする事が大事です。

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