2016.04.06 Wed 更新

妊娠中の感染に注意!HELP症候群って何?その原因と症状、治療法について

「HELLP(ヘルプ)症候群」という病気を知っていますか?耳なれない病気ですが妊娠中に感染するとお母さんにもおなかの中の赤ちゃんにも悪影響を与える恐ろしい病気です。そこでヘルプ症候群の原因と症状、治療法などをまとめてご紹介いたしますので、参考にしてみてください。

溶血(hemolysis)

HELLP(ヘルプ)症候群とは、妊娠中に起こる母子の命の危険を伴う病気です。はっきりとした原因はまだ明らかになっていませんが、ヘルプ症候群を発病した妊婦さんの多くが妊娠高血圧症候群を合併していると言われています。
また、HELLP(ヘルプ)症候群という病名は「助けて」のヘルプではなく、HELLP症候群の3つの特徴の頭文字が元になっています。

HELLP症候群って?

妊婦生活を送っていると、どこかしら体調が悪いという方も多いと思います。
特に胃の不快感を、子宮が大きくなったことが原因と思いがちかもしれませんが、それが実はヘルプ症候群によるものだったというママもいます!
ヘルプ症候群という病気は、耳慣れない病気かもしれませんが、さまざまな合併症を引き起こし、さらには赤ちゃんや、時にはママまでも重篤あるいは致命的な状態になる恐れがあります。

血小板減少(low platelets)

肝逸脱酵素が上昇すると肝臓が貧血のような状態になり、肝臓機能に障害が起こります。検査ではAST(アスパラギン酸アミノ基転移酵素)、ALT(アラニンアミノ基転移酵素)、LDH(乳酸脱水素酵素)の上昇が見られます。

肝逸脱酵素上昇(elevated liver enzyme)

溶血とは、血管の中で赤血球が破壊されることです。溶血によって貧血になることもあります(溶血貧血症)。血液検査で見る場合、Bil(ビリルビン)とLDH(乳酸脱水素酵素)が増加し、血小板の減少が見受けられます。

主な症状としては下記のようなことがあげられます。

HELLP症候群の症状って?

HELLP症候群の原因は残念ながらはっきりとわかっていません。
いくつかの疾患を抱えている場合、発症リスクが増加してしまうようです。
妊娠中の子癇前症、HELLP症候群と以前の妊娠などが発症リスクと言われています。

HELLP症候群の原因は?

血液を固める役割の血小板が、減少していく症状です。血小板の数が低下すると、出血多量の危険が出てきます。

・胃の周りなど、上腹部の痛み
・疲労感
・継続する吐き気、不快感
・嘔吐

以下の3つ基準で診断されます。

HELLP症候群の診断基準は?

発症時期は妊娠末期から産褥3日、多くは妊娠中期以降に発症し、約90%に妊娠高血圧症候群の合併が現れるようです。
妊娠中、これまで何の症状もなかったのに、突然、胃が痛くなり…というケースもあるようです。

<溶血の所見>
血清間接ビリルビン値という値が1.2mg/dl以上であったり、病的赤血球が見られる場合

<肝機能の低下>
肝機能検査にて血清AST(GOT)値 70IU/L以上、血清LDH値 600IU/L以上

<血小板の減少>
血小板数10万/μl以下

HELLP症候群を発症した方の約90%が妊娠高血圧症候群を合併しているというデータもあるので、予防法としては、妊娠高血圧症候群の予防を意識すると良いでしょう。
具体的には、妊娠初期から塩分は控えめにする、疲労しすぎない生活を心がける、極端な体重増加をしない、などの点に注意しましょう。

HELLP症候群の予防・治療法は?

それぞれの診断項目が完全にそろっていなくても、何らかの症状があり、検査値が動いてきたら十分に注意をする必要があります。
また、急性妊娠脂肪肝と似たところもありますが、血小板の減少の程度などが違ってきます。

早期発見を心がけ、気になったらすぐ病院へ

基本的な治療方法は、赤ちゃんを産んでしまうことです。
赤ちゃんを胎内にとどめることはママにとっても赤ちゃんにとっても危険が増します。妊娠週にもよりますが誘発剤で陣痛を促す場合もあれば帝王切開になる場合もあります。
また軽度のヘルプ症候群と診断された場合や妊娠週数があまりにも早い場合は入院や輸血、投薬などによって生産期まで赤ちゃんを胎内にとどめながら様子を見る場合もあります。

妊娠中は何かと体の不調が多くなるものです。HELLP症候群は吐き気、胃痛、疲労感、咳などは、風邪などと間違えやすい症状ですが、ヘルプ症候群はママと赤ちゃんと両方の命に関わる危険な病気です。
妊娠中は特に、身体の不調などが現れた場合にはかかりつけの医療機関を受診し、早期に治療できるものは治療していきましょう。

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