妊婦が初めて感染すると、発熱、倦怠感など風邪同じような症状があらわれます。
ですから、自覚症状からサイトメガロウイルスの感染の有無は分からないことが多いです。
一方、胎児が感染すると、下記のような症状が現れます。
ママや赤ちゃんが感染するとどのような症状がでるの?
潜伏期間は30日~50日といわれていて、今現在有効なワクチンはありません。
問題となるのは、妊娠中です。妊娠中に初めてサイトメガロウイルスに感染した場合で、約3〜5割の確率で胎児にも感染してしまうことがあります。
サイトメガロウイルスとは、感染力が高く、世界中の至る所にあり、誰でも生涯に一度は感染するようなウイルスです。
日本では成人の6割以上が自分でも気付かないうちに既に感染し、免疫を持っていると言われています。一度感染しても何度も感染する重複感染でもあります。
子供・大人共に健康であれば、感染してもほとんどの場合無症状で全く問題ないとされています。身体が弱っている時などは、長引く風邪のような症状が出ることもあります。
サイトメガロウィルスって?
日本では300人に1人の新生児に先天性サイトメガロウイルス感染があり、1000人に1人の新生児に症状がでているといわれています。
・難聴精神運動発達遅滞
・てんかん
・視力障害
出生後しばらくしてからあらわれる症状としては、以下のような症状があります。
・胎児や胎盤の発達異常
・流産や死産
・小頭症
・水頭症
・けいれん
・血小板減少
・肝臓の障害
サイトメガロウィルスの予防法は?
この中でも多いのは、接触感染です。ウイルスに自然に感染した子供の尿や唾液を触り、サイトメガロウイルスに対する免疫を持っていない妊婦がその手で目、鼻、口を触ることで感染します。また、妊娠中の性行為で感染することもあります。
・接触感染(尿や唾液)
・性交感染
・母乳や膣分泌液などによる母子感染
感染経路には、以下のものが挙げられます。
感染の原因、感染経路は?
・おむつ替えや子供の食事、鼻水・よだれの処理などの後はこまめに手を洗う
・子供と同じ食器(スプーン・フォークなど)を使わない
・子供の食べ残しを食べない
・子供が舐めてしまったおもちゃや家具は綺麗に拭き取る
・子供とのキスは頬・唇などを避ける
・性行為はコンドームを使用する
サイトメガロウイルスに感染しても、通常は風邪程度の症状しか見られないため自然治癒が一般的で、これといった治療法もまだないのが現状です。
妊娠中は、サイトメガロウイルスの予防は出来ても感染してしまったらママから赤ちゃんへの母子感染を防ぐことはできません。そのため、感染したら治療ではなく、感染しないように予防をすることが重要です。
予防法は下記のとおりです。
妊娠前の血液検査で抗体をチェックするのも有効です
上のお子さんがいるとおむつ替えやおもらしの始末など尿に触れる機会も多いですよね。また、食事の際についスプーンやフォークを共有したり、食べ残しを食べてしまったりすることもあるかと思います。
実は、こういった行為がサイトメガロウイルスの感染につながります。これといった治療法が無い現在では、細かいことに気を遣うようにするのが一番の予防になります。
サイトメガロウイルスは、妊娠前に感染経験があれば、妊娠中に感染しても抗体があるため問題となることはほとんどありません。しかし、風邪のような症状で自然治癒してしまうため、調べてみないと感染経験があるかどうかわからない病気です。
病院では、サイトメガロウイルスの抗体があるかどうかを血液検査で調べることができます。この検査によって、抗体の有無だけでなく、いつ頃かかったのかまでを知ることができます。
サイトメガロウイルスは、子供が生まれてから判明することも多い病気です。母子感染の影響による疾患も決して軽いものとはいえません。
妊娠中サイトメガロウイルスに感染しないためには、血液検査をして抗体が無い場合は予防を行いましょう。検査は申し出れば産婦人科でやってもらえますし、料金も数千円程度です。
母子ともに健康に出産を迎えられるよう、検査や予防法など今できることから気をつけていきたいですね。
検査や予防でサイトメガロウィルスの感染を防ごう!
しかし、現在の日本の妊婦健診では、サイトメガロウイルスの抗体を調べる検査が義務付けられていません。全額自己負担であるため、検査を受ける妊婦さんも全体の1割に満たない程度です。
サイトメガロウイルスの抗体検査は、病院によって異なりますが数千円で受けられる場合が多いようです。第二子以降を妊娠されている方や乳幼児との関わりが多い仕事に就いている方など、不安要素がある方は受けておくと安心です。