2016.05.17 Tue 更新

ビタミン不足で新生児メレナになる可能性が!?その症状や対策・原因について

新生児メレナという病気を知っていますか?新生児メレナは生後2~4日の新生児に発症する病気で、吐血や血便の症状がでます。生まれたばかりの赤ちゃんが血を出すようなことがあると心配になるでしょうが、今は病院での予防が可能なので新生児メレナが発病する可能性は低くなっています。とは言え、万が一のことを考えて新生児メレナの症状や治療法、原因などを知っておきましょう。

新生児メレナの原因

もし、うんちに血が混じっていても、消化管で出血していない場合もあります。これは「仮性メレナ」といって、下痢などが原因で肛門が切れて出血していたり、分娩時の出血や母乳に染み出したお母さんの血を飲み込んでしまって、それがうんちに混じって出てくるものです。見た目では新生児メレナと仮性メレナの区別はつきにくいですが、よく見ると血液の色が違い、仮性メレナの場合は真っ赤な鮮血がでます。仮性メレナであれば、治療の必要はありません。

全身の至る部分で出血しやすくなります。一番出血しやすいのが、消化官の粘膜で、消化官からの出血があると、消化管の血が逆流して口から吐いたり、うんちに混じって黒い血便が出たりします。出血する場所は消化器官に限らず、進行すると脳内出血を起こす事もあります。出血が起こる場所によっては危険な状態にもなり得るので注意が必要です。

新生児メレナの症状

新生児メレナとは、生まれて2~4日目くらいの時期にみられる、吐血や下血などの消化管の出血のことをいいます。消化管で出血を起こすので、口から血を吐いたり、うんちに血が混ざったりすることがあります。これまでは、ビタミンK欠乏による新生児の出血性疾患と思われていましたが、現在ではビタミンKの予防投与やさまざまな検査により、消化管出血の原因は多様であることがわかっています。現在は予防法が確立されているため、大幅に減少しています。

新生児メレナって?

新生児メレナの治療

まず血液検査(貧血、血小板減少の有無)で新生児メレナか仮性メレナかを区別します。そして、レントゲン撮影や造影検査、内視鏡などで消化器官の状態を調べて、消化管からの出血の原因が何かを診断していきます。場合によっては、腸炎や胃炎、潰瘍、腸重積などの病気の可能性もあるのできちんと検査されます。

新生児メレナの診断

新生児メレナの原因は、ビタミンK不足によるものがほとんどだと言われています。ビタミンKは胎盤を通りにくい性質があるため、体内にビタミンKが不足した状態で生まれてくる赤ちゃんが多いのです。ビタミンKは脂溶性ビタミンで、主に血液を固める作用があるので不足してしまうと体内で出血しやすくなります。血液が固まりにくい状態になっているので、赤ちゃんの消化器官は未熟で大変傷つきやすく、簡単に傷ついてしまうので消化管で出血が起こるのです。

最近では、新生児メレナに対する予防意識が高くなっているため、ほとんどの病院で退院までの間に新生児へビタミンK2シロップを飲ませて、ビタミンKを補充します。生後1ヶ月の健診の際にも、ビタミンKを補充する処置が施されるので、病院で出産して健診も受けているのであれば発症することはほとんどありません。現在はこの予防法によって、新生児メレナの発症は減少傾向にあるのです。

新生児メレナの予防

新生児メレナは、基本的にビタミンKを補給することで出血を止めることができます。出血量が多く、貧血を起こす可能性が高い場合には輸血などで対応されます。また、消化管の状態によっては出血を抑えるための薬物療法や外科的な手術が行われる場合もあります。一般的な新生児メレナであれば、すぐに回復します。

母乳のビタミンK不足はお母さんの食事に左右されます。そのため、母乳育児をしているのであれば、お母さんの食生活も気を付けましょう。ビタミンKを多く含む食材としては、納豆、小松菜、海藻類、パセリ、モロヘイヤ、鶏肉、チーズなどがあるので、積極的に摂取しましょう。
妊娠後期は新生児メレナになりやすいかどうか検査する事もできます。

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